断片集

 喉が詰まった感じで気持ちが悪いと思っていたら口から蛇が頭を出した。うっと思いながら思い切って頭から蛇を引き抜くと胃がすっきりした。

 フランス人にフランス語で指圧について熱心に説明している。

 空を移動する馬がいる。斜めの構図で固定したまま静止しているのに飛んでいる。目で追っていると急にホテルの駐車場に落下したので、走ってそこに行ってみる。それは実は馬ではなくて何とかという生き物で、今話題の動物なのだという。私はそれを見たことを自慢して皆に吹聴して歩くのであった。

 会社の職場の人たちが職場で雑魚寝をしている。私だけ、立ったまま寝られるという器具で天井から吊るされているが、何かの弾みではずれてしまい、普通に布団で寝ているHさんのすぐ脇にころがり落ちる。Hさんは最近転勤で同僚になった、まだ年若い女性である。私は多少気まずさを感じながら体を寄せて行き、間合いをはかって抱きしめて接吻をする。痩せて見えるが何とも抱き心地のいい体で、抱いてはじめて私は彼女に恋心を抱き始める。顔も急に可愛く見えて来たのである。それを見ていた元同僚の奥さんで、やはり元同僚ながら今は会社を辞めた女性Sが私をからかう。私は顔を真っ赤にするが、今度はその私の頬に彼女が頬を寄せて、チークダンスのように二人でしずしずと歩いていく。これを会社の人に見られたらまずいなと思いながら満更ではない。