日曜日 

九月二日(日)雨時々陰
嶺庵のクローゼツト内の大整理を敢行。スーツやシヤツを捨て、在仏時代の手書きの処方箋も処分することとす。時代が変り、原料や規制、それに好みも変り、再現不可能な香りなればもはや無用と判断す。若き日の苦闘の名殘りなれば捨てるに忍びざる思ひはあれど止むなし。空いたスペースに書斎から棚をひとつ移し、茶道具や香道具を置く。その分空いた書斎の書棚の上のスペースに、上置き用の本棚を二組ネットで注文す。これで書斎の三面が天井まで本に埋まることとなる。夕方買い物に出る。夕食まで嶺庵と飄眇亭の整理に追はる。夕刻俄かに涼しくなりたれば、先日岳父より頂戴せし浴衣を着て兵児帯を締める。その格好にて夕食後通信の執筆に勤しむ。夜半突如停電す。雷の落ちたる故か。一分程で復旧するも、珍しき事也。十一時半就寝。