2022-12-01から1ヶ月間の記事一覧

ローマ帝国属州サッカー選手権

FIFAワールドカップがアルゼンチンの優勝で幕を閉じた。決勝戦のみリアルタイムでPK戦まで見て翌日睡眠不足となり、火曜の朝寒くて風邪気味となって翌日休んで抗原検査をしたらコロナ陽性になってしまった。それから一週間余、すでに陰性にはなっているが、…

キリスト教批判序説

『ユリアヌスの信仰世界』が伝える、ユリアヌスのキリスト教徒批判をいくつか紹介したい。 まず、「洗礼」が挙げられる。罪の穢れを一度の洗礼で清めることの効力を疑うのである。入信への象徴儀礼としてではなく、洗礼の実際的な効果を疑問視する訳だが、裸…

ユリアヌスの願い

ユリアヌス帝が復興しようとしたのは、我々がギリシア・ローマの神話の神々として知るユーピテルやアポロンといった神に捧げる神殿と、そこで行われる祭祀や神託などである。コンスタンティヌス帝によるキリスト教の公認と皇室資産のキリスト教会への寄付か…

キリスト教の勝利、或いは不寛容な世界の出現

「ローマ人の物語」第14巻『キリストの勝利』読了。ユリアヌスとテオドシウスという、方やギリシアの哲人を理想としてキリスト教徒の横暴を防ぎたい皇帝と、一方は完全にキリスト教に取り込まれて伝統的な多神教を禁じるに至った皇帝が登場する時代である…。…

一神教への吐き気

きっかけは、香料について旧約聖書を調べたことに始まる。高校時代に岩波文庫の『創世記』を読んで以来、たまに文学や歴史書などに参照された『詩篇』や『雅歌』の一節を聖書協会訳で飛ばし読みすることはあっても、まともに読んだことはなかった。それが、…

ローマ世界の終焉

自分の天邪鬼ぶりに驚くしかないが、塩野七生の『ローマ人の歴史』を最終巻であるXV巻「ローマ世界の終焉」から読み始めた。そうしようと決めて始めたことではないのだが、結果としてそうなった。きっかけは、『ヒュパティア』(エドワード・J ・ワッツ著、…