2011-01-01から1年間の記事一覧

大晦

十二月三十一日(土)陰 九時前起床。朝食に昨日岳母より頂戴せし露西亜産鮭を食するに極めて美味なり。蓋し函館育ちで水産会社で船に乗る岳父に嫁ぎし岳母は魚の目利きなれば、其の選に間違ひはなきもの也。昼餉まで掃除。中食後N子といたち川沿ひの遊歩道を…

墓参来庵

十二月三十日(金)天晴 八時にN子と車で家を出で町田のN子実家に行き、岳母を乗せつくし野駅に行きN子の妹K子を拾ひ四人で二四六を厚木方面に走る。平塚に下り途中余の勤務先を三人に見せた後東海道を小田原まで下る。小田原浜町のN子の実家の墓に香華を奉げ…

漆喰塗

十二月二十九日(木)天晴 朝から掃除。午前中より寝室のクローゼツト内を漆喰にすべく下塗り、本塗二回を、乾かす時間を空けて夜七時過ぎまでかけて終へる。ペイント式の漆喰にて、N子の知り合ひよりモニターの如き形で供与を受け、塗るもの也。湿気を吸ひ防…

仕事納め

十二月二十八日(水)天晴 仕事納めに出社す。午前中にほひかをり協会より委嘱されし匂ひの入門書を作る為の項目出しを終へて送信。会社より供与の弁当を早めに食べ正午過ぎ退社。大船のルミネに立ち寄り冬物衣類を購ふ。帰宅後年賀葉書を印刷し宛名を毛筆にて…

温泉洪水

十二月二十七日(火)晴 山の上にある古い日本家屋である。立派な楼門と白壁と建物に囲まれた庭をわたしはお湯で満たし、これなら温泉旅館としてやつていけるかな、部屋数が足りないかな、などと考へてゐる。建物から出やうとして湯水の圧力で扉を開けられずに…

日曜日

十二月二十五日(日)陰時々晴 出掛けることもなく客もない久しぶりの休日である。遅く起き、懸案であつた幾つかの家事を為す。屋上への階段にロールスクリーンを取り付け、寝室のベツドのシーツを替へ布団にエトロのカバーを掛けた。N子の分の住所録の整理を…

今年最後の嶺庵茶話会

十二月二十四日(土)晴 朝から嶺庵の掃除をし、茶道具香道具を用意す。午後買物に出て花を買ひ生ける。着物に着替へやうとしたところで連絡があり急ぎ駅まで迎へに行く。如道会の後輩S氏を迎へ、今年最後の嶺庵茶話会を開催。初めて余が客に茶を点てる。其の…

住所録

十二月二十二日(木)陰 帰宅後尺八練習。夕食の後毛筆にて年賀状の宛名書き。結婚を知らせる通知を兼ねる為今回は近年にない数の年賀状を書くことにした。といふより、メールの普及と海外勤務などによつていつの間にか途絶へてしまつた賀状のやりとりを之を機…

十二月二十一日(水)晴 ネツトにて筆を三本注文す。一休園の天開を二本と欧法筆一本である。天開はお初香の執筆に向け先日妙喜庵で先生のものを借りたところ良かつたので普段使ひにもしやうと思ひ購入。結局香道の執筆にせよ、宛名書きや書簡にしても実用で使…

笠間往還

十二月十八日(日)晴 再び岳父の車にて早朝七時前につくし野駅まで送られ、渋谷経由山手線で上野に出で、八時半発の常磐線特急にて友部に赴く。すでに如道会の面々の姿あり。待ち受けた車数台に分乗してまず神家所有の鍛冶倉農園に行く。落成間近の仮称笠間山…

三稽古

十二月十七日(土)晴 十一時より一如庵にて尺八稽古。明日の納会での演奏曲目が布袋軒鈴慕であることを告げらる。正午辞して徒歩高田馬場に到る間に昼食を取り古本屋にて数書を購ふ。早稲田通りの馬場に向かつて右手の通りの古本屋は昔に比べ大分数が減つたや…

私信の日

十二月十五日(木)晴 家に戻りメール四通打つ。編集者に掲載誌の件でひとつ、講演を頼まれてゐる先生に日程調整のメール、東京大学の先生に先日来庵の際に撮つた写真を送つて貰つたお礼、さらに著書を送つて貰つたH先生にもお礼のメール。其の後嶺庵に入つて…

下らない話

十二月十四日(水)雨後陰 シヤンパーニユを飲むときは細かい気泡が出来るシヤンパングラスで飲みたいものである。このこだはりを称して「裏シヤン家」。表千家に対し裏千家の茶は細かい泡を立てるのを特徴とするため、かう言つてみた。 ベルト式コンベアーと…

吉報

十二月十三日(火)晴 昨日は知人女性の出産の報に接し、今日は長らく独身を続けて来た知人女性が結婚を決めたとの報告を受けた。目出度いことは重なるもので、わたしにとつても嬉しいことである。ふたりには今まで以上の幸せな日々が続くことを願ふ。 かうい…

ピアニスト松原松葉

十二月十二日(月)晴 わたしの初めてのピアノリサイタルを新聞社のホールで開くことになった。何故かわたしはその録画録音を見てゐて、最初は危なっかしくところどころテンポが緩むことはあるがまあまあだなと思ふ。手の速いところも信じられないやうな見事さ…

研究会

十二月十一日(日)晴 十一時過ぎN子と倶に家を出で、湘南新宿ラインにて渋谷まで同道。其処からN子は原宿の香道教室へ、余は銀座線で赤坂見附に往く。徒歩都市センターホテルに至り、午後一時より某研究会にゲスト参加。冒頭自己紹介をした後は諸発表を聞き…

茶話会

十二月十日(土)晴 昼過ぎ鎌倉山の蔵に住むN夫妻来訪。中食の後嶺庵で尺八を吹き、喫茶、聞香の後四時過ぎ帰る。変則的な嶺庵茶話会である。家の調度装飾につき、客によって着目する処の違ひが面白い。今回は古民家の専門家だけに家の壁の色や間取り、断熱な…

出羽の国

十二月八日(木)陰時々雨 寒い一日、寒い山形に日帰り出張。訪問した得意先の本社建物から駐車場までの移動だけで凍てついた。体の芯が冷えて気持ちが悪くなる。帰りの新幹線車中で日本酒を飲んでやつと正気に戻る。名物ホヤの乾き物は震災で工場が流されたと…

英吉利人社長の不可思議

十二月七日(水)晴 オリンパスの巨額損失隠しに関する第三者委員会の報告書が昨日発表された。ずつとこの件を追ひかけてゐる余にとつては熟読に値する報告書であつた。いろいろな意見や批判があるのは当然だが、ここまで明らかになつて見ると、其処まで隠して…

氷雨

十二月六日(火)陰後雨、寒し 突然ある夢、繰り返し見るある夢によつて深い悲しみの感情が揺り戻されてしばらくわたしの心の中に居座る。人と面と向かつて話をすることをなるたけ避けたくなる。寒くなり雨は冷たく、喉は痛み体の節々もだるい。風邪を引いただ…

角袖と忘年会

十二月五日(月)晴 朝通勤時東海道線の列車に遅れが出るも定時に出社。昼食後半休を取りて東京まで電車で行き、其処から徒歩日本橋三越に到る。呉服売場に行き男性用角袖を見る。安いものは十万、少し厚手のものは十五万、カシミアになると四十万程。色柄はま…

法事と茶事

十二月四日(日)晴 九時に車にて家を出で、三鷹の実家に寄り両親を乗せ赤坂の寺に行く。伯母の三回忌也。N子を父方の従兄弟らに紹介する機会にもなればN子も同伴。十一時より法要、墓参の後庫裏の二階にて斎。余は運転なれば飲酒せず。一時過ぎ辞して再び両…

彼誰忘年会

十二月三日(土)晴 午前中クリーニング屋に行き、車にガソリンを入れ灯油を買ひ、ドラツグストアで買物をして何とか通信最新号を出発前にを仕上げて、急ぎ昼食をとり外出。二時より一如庵にて尺八稽古。其の後古本屋を見て何冊か買つた後早稲田大学本部キヤン…

風車

十二月二日(金)雨後陰 わたしは風力発電用の風車が大嫌ひである。あの常軌を逸した大きさと醜い姿を目にする度に虫唾が走るのである。自然の景観をあそこまで醜悪にするインパクトは相当なもので、風車が無数に並びたつて廻つてゐる様など凄まじいを通り越し…

馬鹿鍋

十二月朔日(木)雨、寒し 会社で腹立たしき事あり。隣席の人間に余らが関与する芳香剤関連の評価設備やその使用を無駄であるが如きの発言あり。自分のやつてゐる柔軟剤関連がビジネスとして大きいため、あたかも芳香剤の仕事など取るに足らぬといふ含意が見て…

其一到着

十一月三十日(水)陰 退社後藤沢の世界堂にて額を壁に掛けるフツクを数種購ひて帰る。尺八練習、夕食の後やつと宅配業社が来て額装ふたつを置いて帰る。鈴木其一の画だが、もちろん本物ではなく細見美術館所蔵品の精密複製画で、箱入りの認定書が付いてゐる。…

余のプロ野球改革案

十一月二十八日(月)陰 金のある会社こそ球団を持つべきである。その意味で球団ひとつ買ふくらゐの金額の損失を出しても屋台骨がびくともしない二社に登場してもらひたい。 ひとつ目は大王製紙である。在四国プロ野球チームの誕生といふ悲願が達成されるし、…

一勝一敗

十一月二十七日(日)陰時々晴 朝から掃除洗濯部屋の片づけをするうちあつといふ間に昼になり、昼食を食べてくつろぐうち早くも三時となつて急ぎ車で外出。南町田のニトリで寝具を買ひ、それからN子の実家に行く。棚を使つた薄茶のお点前の稽古を二回、N子は…

尺八三昧

十一月二十六日(土)晴 十一時より一如庵にて尺八稽古。布袋軒三谷、流し鈴慕を浚つた後初めて無住心曲に入る。稽古後の雑談中に先生より二尺一寸や二尺五寸の名管を見せて戴く。俄かに新しい竹が欲しくなる。徒歩高田馬場に到り新宿経由小田急参宮橋にて電車…

巨星墜つ

十一月二十四日(木)晴 立川談志師匠の訃報に接す。冥福を祈るより他なく、言葉を失ふ。以て瞑する而己。