夢日記

ふたつの景色

車でヨーロッパの国々を廻っている。ベルギーやオランダ辺りだろう。駅に行く用事があって進行方向の道路右側を歩いて行くと途中で歩道がなくなり、横断歩道もないところで道の反対に渡らなくてはならない。ひどいものである。何とか車の途切れるのを待って…

ジュルナリスト

山間の道をずっと奥に進み、あるジャーナリストの家を訪ねる。小太りのそのジャーナリストにわたしは「先生」と呼びかけて、最近彼が書いたルポの感想を述べ、取材のしかたや執筆の姿勢などについて質問している。彼が誠実なジャーナリストであることがわか…

街の色彩

穴八幡の交差点から地下鉄早稲田駅に向かって歩いているとき、突然目の前の景色が色彩を増し、周囲の建物や店、看板やショーウィンドウなどが鮮明に見え始めた。驚いて周りを見回すと、それは1980年代の早稲田通りそのものだった。その途端にわたしは思い出…

転覆船

カッターのような船にひとりで乗っている。会社の連中は先を行く小型船に乗り込んでいたのだが、私だけ用事があって乗り遅れたのである。私の乗る船は私の意志で動くもののようで、先を行く船を追いかけている。海上は交通量が多く、二三度危うく衝突しそう…

詩人の本棚

空港に着いてからパスポートと航空券を忘れてきたことに気づくのはいつものこととは言え、その狼狽ぶりはいつになっても慣れるものではなく、タブレットで予約したシートの確認とクレジットカードの支払い明細を確認するうちにニューヨークに着いた。それか…

微熱譫妄

A型インフルエンザに罹った。一昨日の夜から具合が悪くなり、昨日午前に医者に行って判明した。忙しい時期で大事な打ち合わせもあったのだが、火曜までは出社できない。インフルエンザは久しぶりのことで、やはり年末からずっと根を詰めていたせいもあるだろ…

脱走劇

文樂を寫した映像を見てゐる。最後の方は寝てしまひ、終はつて皆が拍手をするので目が覚めた。ややあつて松岡老師が壇上で簡単な説明をして散會となつた。場所は丘の上の弐階建ての本樓である。多くの人は關係者なのか弐階に上がつて行き、わたしは玄關に向…

策略

自宅兼事務所の建物の中にたくさんの人がいて、忙しく立ち働いている。その一方で皆よく喋り、それがことごとく近所の人の噂である。隣の広い庭のある家にはレクサスに乗っている、事業本部長などやっていそうな眼鏡をかけた50過ぎの男がいるのだが、周囲の…

ロシアルート

駅前の広場を足を高く上げて歩く男がいる。昔のナチスの行進のようでもあり、さらにそれを滑稽にしたようでもあった。何やらブツブツ言っているので、明らかにちょっと頭のおかしい輩である。よせばいいのに会社の連中が何か言ったのか揉めはじめた。私はト…

断片集

喉が詰まった感じで気持ちが悪いと思っていたら口から蛇が頭を出した。うっと思いながら思い切って頭から蛇を引き抜くと胃がすっきりした。 フランス人にフランス語で指圧について熱心に説明している。 空を移動する馬がいる。斜めの構図で固定したまま静止…

耳を掻いたらものすごく大きな耳垢が取れた。薄いのだが、ちょうど栞のような大きさで、しかも左右シンメトリックな形状をしていて、なかなかきれいである。捨てずに置いておいたら会社の女の子が見つけて、リボンをつけたら栞になりますよ、と言って手に取…

嫉妬

同期のM野と喋っていて、話が転職したO嬢のことに及んだ。M野が言うには、O嬢は最近香の物ばかり食べているらしい。私が何故そんなことを知っているのかと追求すると、最近ちょくちょく会っているという。私は激しい嫉妬にかられて、なおも詳しく問い詰めた…

円柱の高みより

街中に高さ10m以上はあろうかという円柱が一本立っている。頂上の面は畳半畳ほどの広さがある。わたしはどういう訳かそこに登って天辺で腹ばいになっている。飛び降りるには高すぎるし、円柱なのでつたわって降りることも出来ない。わたしは下にいた会社の同…

コマーシャル

一月十四日(月) 老婦人が悲しそうな表情をしている。視線の先に壊れて捨てられた電気スタンド。 【回想】真新しい電気スタンドが届いて嬉しそうにしている女の子の笑顔。 壊れた電気スタンドに戻ると、そこに手紙が添えてあるのに老婦人が気づく。手に取って…

窃盗団

十一月十九日(月)陰 会社の化学プラントに窃盗団が入って化学薬品が大量に盗み出された。サリンなどの製造も可能な化合物であり、大問題になっている。私は現場に行って状況を視察することにした。警備の隙をついて忍び入り、窓やドアを破壊することもなく…

赤の違い

十一月四日(日)陰 友人の枢機卿と新しく出来た国立美術館に入る。そこは赤が象徴的かつ効果的に使われている建築だというので見に来たのである。駐車場の隅はまだ工事中なのか金属製の仮囲いが施されている。中に入るとすごい人混みである。人の少ない方に進…

階段

十月十二日(金)陰時々雨 職場の研究所の隣にビルがある。そこには素敵な階段があって、私はその階段を駆け上って行くのをたのしみにしている。五階か六階分昇ると屋上に出て、そこから研究所に入れるので通勤時に使っているのである。クラシックなホテルの階…

理不尽な仕打ち

六月十七日(日) 美しい女と恋仲になった。わたしはぞっこん惚れていて、いつもぴったりくっついて行動しないとすまず、一本のベルトで固定したいと言い出して笑われる始末である。わたしたちはショッピングモールの中をそうして歩き回り、途中で殺人事件に巻…

秀才たち

五月二十日(日)晴 職場で仕事をしている。香料の処方箋をひとつ仕上げてアシスタントに渡す。アシスタントたちは忙しそうにしていて、あまりたくさん処方を出すのも悪いと思い大きなテーブルの片隅に座って、その朝駅で買った新聞を読み始める。サッカーJリ…

微妙な空気

三月二十一日(水)雨、寒し 対立するふたつのグループがあって、一方のコンサート会場に他方が殴り込みに来たものの多勢に無勢で引き下がろうとしたが、最後にコンサートの司会をしていた一方のリーダーの一言がカチンと来たのか再び場内に戻ってリーダー同士…

TGV

三月十一日(日) 休みの日に調べものがあったので会社に行き用事を終えて帰ろうとして図書館のロビーの椅子に帽子を置いて座ると、帽子の上に座ったかと思うと立ち上がる際に帽子を手にして立ち去ろうとした男が居たので殴り倒して帽子を奪い返した。男は横に…

苦い再会

二月十五日(木)晴 夕飯を食べた後街をほっつき歩いた。食事が足りなかったのか惣菜屋がやたらと目に入る。それにしても惣菜屋の多い街である。えびの天ぷらが並んでいて安いので買って食べようかとも思ったが、胸やけするに決まっているのでやめた。家に戻る…

洗脳者

二月五日(月) 一番好きなОという女の子と食事をしている。何度も楽しく食事をともにしてきたし、そろそろデートに誘おうと思うのだが、その都度何となくはぐらかされて来た。一度何かのはずみでその話になり、次第に彼女をマインド・コントロールしている人…

降板志願

二月三日(土)陰 バレエ「白鳥の湖」の主役を務めることになった。確かに、若いころ黒鳥役を踊った記憶はあるのだが、それもずいぶん昔のことである。逡巡する間に公演の前日になってしまった。公演といってももちろん素人バレエ団の発表会のようなものなのだ…

水の縁

一月三十一日(水)陰時々晴 舌の根も乾かぬうちに不倫である。改築前の古い実家の自分の部屋だったところに連れ込んでのお楽しみである。相手はどこかで会ったことがあるような、若くて肉感的な女性であった。夕方になって私は、悪いけど今日は(家内が)早く帰…

成長

一月二十九日(月)陰 今朝の夢で、二三日泊った旅館から荷物をまとめて帰ろうとしているところがあった。今までだと、カバンに衣類などを詰め込もうとして思いのほか時間がかかり、しかも結局うまくしまえずに途方に暮れるほど長い時間が過ぎてしまうことが多…

ヤクザと詐欺師

一月十六日(火)晴 大阪の福島天満宮の夏祭りに来ている。お気に入りのひとり菜々絵ちゃんと一緒である。菜々絵ちゃんは偶々出張でこちらに来ていたので私が誘った。コンチキチキのお囃子が聞こえる中私は彼女を連れて境内に入って見物しようとする。すでに周…

初仕事

一月七日(日)晴 仕事をしていると電話が掛かってきた。かつて一緒に働いたことのある、先輩の日高氏である。大阪の支店で会社のコレクションの展覧会をやると知り、何とか見たいのだが何とかならないかというのである。私はそのことを知らなかったので調べて…

りり

十二月二十三日(土)晴 埼玉に家を買った。わりに広くてちょっとした庭もある。横浜にこだわらなければこんなに広い家に住めるのだと知り、もっと早くに決断すべきだったと思った。前の家を買う際に比較のために他県の物件を見ていれば、きっとこちらを選んで…

娘たち

十一月二十三日(木)雨 三組の夫婦で旅行に出掛けた。自分より年配一組、だいぶ若い夫婦一組が一緒である。若い方の奥さんを私は気にしているが、その娘である3-4才の子が私になついている。パパと勘違いしてか抱きついてきて、可愛いので抱っこしている。場…