夢日記

夢のかけら

十一月二十日(月)晴 久しぶりに教室に戻ると懐かしい顔がならんでいた。わたしはいつもと違う角度だと言って教壇に立ち、ふざけて教師のような振る舞いをする。前の方の同級生は面白がって笑顔で見てくれているが、後ろの方の男がやって来てちょっと来いと言…

ロケットと漫才

十一月十一日(土) 出張で行っていた種子島宇宙センターでロケットの発射に立ち会った。無事に飛び立った後、コントロールセンターは建物ごと水平に動き、窓の外がコンクリートの壁になった。皆で成功を喜ぶのかと思っていたら、あっという間に人がいなくなっ…

泥棒と修学旅行

十一月十日(金)晴 家のリビングで会社の元同僚らとくつろいでいると、廊下の外で物音がする。そう言えば一年前のあの音は何だったの?と客のK氏が聞くので、去年の忌々しい出来事を思い出す。私は念のため廊下に出てみると見知らぬ男が立っている。「何をし…

残余

十月二十九日(日)雨 ビルの屋上の金網のフェンスを越えて通常入ってはいけないエリアで体操をした。それから再びフェンスを越え、階段を走って降りるとき途中で足を払われた。つまずきそうになって振り返ると大柄な女子高生が立っている。手にスマートフォン…

転勤その2

十月九日(月)晴 海外から戻って営業部長に就いたSという男のことを弾劾する人々がいて、Sが如何に上にばかり媚び諂い、下を軽んじ雑に扱っているかを喧伝している。私もSが大嫌いで彼らの言う通りであるし、そもそもあんな奴が営業部長で大丈夫なのかとい…

転勤

九月二十四日(日) モスクワに転勤になった。出勤すると会社にはオランダ人でアメリカ時代の上司だったD氏がいて握手をする。すぐに皆で昼食に出ることになるが、皆九月だというのにコートを着ていて、薄い上着で来た私は今年はきちんと防寒のできるコートを…

隠し玉

八月十二日(土)陰後晴 交差点の道路の上にベンチがある。そこを待ち合せの場所にしたので、私は野球の硬球に約束の日時と相手のYの名前を書いて袋に入れ、口紐を結んでベンチの支柱に結わいつける。しかし、これでは誰かに持ち去られる恐れがあるので、ベン…

独逸と仏蘭西

八月七日(月)晴 ドイツの産業遺跡や戦争遺跡を廻っている。車に乗り、運転手とガイドはドイツ人である。巨大な工場や溶鉱炉、ビルや要塞を見て周る。ビルの壁面から砲身が延び、高射砲がそのままになっているところもあった。途中、道路にバスが停めてあって…

ビルの息子

八月五日(土)晴 家の近くに高校が越して来た。新学期から私はそこに通うことになった。お祭りをやっている人が多いと聞いて、学校を休んででもお祭りに参加する人もいるのかなと思う。近いので安心していたら始業の日に遅刻して登校すると、校舎は古いものの…

きれぎれの記憶

七月十四日(金)晴 家が二箇所に分かれていて、2 ・300メートルあるその間をしょっちゅう行き来している。一方の家には母がきれいな日本髪に結って着物を着てすまして座っている。二階の私の部屋には娘のアキノが教科書や菓子などを机の上に置きっぱなしにし…

鰐の池

七月八日(土)晴 居酒屋に入ると朝からおじさんたちが酒を飲んでいた。大事な話があった気がするのだが忘れてしまい、私はハーブティーを註文する。待つ間にトイレに立つ。入ると板敷きに穴が開いているだけの原始的なトイレである。しかも穴から下を見るとそ…

三冊の本

六月十二日(月)晴 駅を降りたところで橋本さんに出会い、ともに学校までの道を歩く。橋本さんが「あれは読んだかね」と聞くので、そう言えば彼誰同人で前回会った際に同人の推薦する三冊の本を読んだ上でどれが一番面白いか決めるという宿題があったことを思…

法事の寺

六月朔日(木)晴 京都の街を歩いている。裸足なので神社の境内やじゃり道は痛くてたまらず、アスファルトの道を歩くようにしている。連れにはこの痛みがわからず、私は地下足袋を買うことを決意、いつの間にか錦小路通りに入る。途中テント張りの無料休憩所の…

出産演技

五月二十八日(日)晴 テレビ局のテーマパークのような所である。入口を入るとすぐにフィールドアスレチックのようになっていて、池の上に浮いた板を飛び移ったり、縄を伝わって谷を越えなければならない。途中何人もの人が水の中に落ちて行く。スーツに革靴の…

様々な動物

五月二十三日(火)晴 川を背にした家が並んでいる。私は川を渡ろうとして家と家の間の狭い路地を抜けると川岸には高いフェンスがあり、しかも上には斜めに鉄条網が張られていて越せそうにない。それでもフェンスによじ登ろうとしたところに妹が鍵を持って現れ…

妻妾同居

五月二十一日(日)晴 川向うの件で疑いを持たれた私は組の者から狙われている。私は用心をして家を出ない。街中のマンションの二階に妻と愛人と一緒に住んでいるのだが、二人の女性は仲がいいので助かっている。二人とも私を助けようと献身的なのだが、少々抜…

破れ傘

五月二十日(土)晴 社長の車に同乗させて貰って会社に戻る。一度自分の机に戻ってから社長室のあるフロアーに行くと、旧役員を含め現役の役員や部長クラスが勢揃いしている。なるほどこうまでしてご機嫌伺いをして昇進を陳情するものなのかと思い、今さらなが…

事実誤認

四月二十四日(月)晴 大学教授であり評論家でもあるJ先生が、あるマスコミの一団を名指しで批判した。低調で愚劣、おまけに欺瞞だらけと言うのである。批判された連中はJ先生の粗を探すのに躍起となり、とうとうJ先生が昔書いた文章の中で戦時中の早大での空…

イメチェン

四月二十三日(日)晴 パリのペリフェリック(環状道路)の先に出て、郊外に向かって歩きはじめた。というより、最初はローラーのついた事務用の椅子に座ったまま進んでいたのだが、さすがにまずいと思い椅子を押しながら歩くことにした。そうして歩きはじめると…

戦場と老兵

四月二十二日(土)陰 大きなビルの最上階に居る。停電なのか燈火統制中なのか真っ暗闇である。雷鳴がして稲妻が凄まじい。これは危ないと思っていると雷がいつの間にか砲撃となり、私は必死で物陰に隠れる。時々雷や爆裂で明るくなると、どうやらそこは橋本先…

最終講義

二月二十五日(土)晴 1 中大附属高校に着いたのはちょうど一時であった。もっと早くに着くつもりが差し障りがあって遅くなったのである。急いで会場に入ろうとするが場所がわからずきょろきょろしていると、ちょうど増田先生が通りかかったのでついて行くこと…

家の中

二月十一日(土)晴 友人の家に行くと、そこは嘗て自分が住んでいたアメリカの家であった。ゲストルームの別棟もある広い家で、私は使わずにいた部屋を今でも何故もっとそこを使わなかったのかと思うくらいなので懐かしく中を見て歩く。昔のままの家具や置き物…

風船犬

二月十日(金)陰 会社で働いていると、本部長が来客だから一緒に出てくれと言う。そこには秘書らしい私の知らない女性もいて、一緒に出るようである。ところが、私はちょっと嫌だなと思ったとたん足が進まなくなり、その場で左足を軸にぐるぐると廻りはじめて…

速い呼吸

一月二十九日(日)晴 香道の家元の屋敷にいる。流派の重鎮や執事のような人たちに混じって、会社の海外からの客をもてなしている。何も知らない彼らは案内を受けて一応納得して興味深げな顔をしているが、私を含めて数人ははらはらして見ている。まったく説明…

ベルリンの豚

一月二十六日(木)晴 列車でベルリンに向かっている。パリで宿がとれなかったため、急遽行くことにしたのだが、明日の夜にはパリからの便で帰国しなくてはならないので、結構きつきつのスケジュールである。ベルリンから帰る便に替えようかとも思ったが、考え…

靴の盗難

一月二十二日(日)晴 私はやくざに囚われの身となっているが、そこの家の赤ん坊が私になつくので一目置かれている。その赤ん坊は機嫌が悪いと箱になってしまうので皆が手を焼いていたのだが、私があやすと機嫌がいいのである。ただ、私はこの子が本当は人間の…

芭蕉の地球儀

一月十一日(水)晴 案内してくれる人があって、松尾芭蕉が一時住んでいたという庵を訪ねた。ごく普通の平屋の建物で、中は十畳くらいの部屋があるだけの簡素な作りである。部屋の縁側に近い位置に古めかしい地球儀が置かれていて、芭蕉は奥の細道の旅に出る前…

触覚アイドル

一月二日(月)晴 アイドルに公認恋人制度というのが出来て、各女性アイドルには恋人が配されることになった。そして、その恋人の男性がアイドルを触ったデータをもとにアンドロイドを作るのである。価格が高いのでよほどの富裕層でないと買えないが、通常レン…

ユメドレー

大晦日(土)晴 パリ篇 パリに来ている。路面より2メートルほど低くなった正方形の広場が市場になっていて、一目で移民とわかる服装の容貌の若い女性と私は何事かことばを交し、私は路面に戻ると自転車に乗ってパリの街を走る。丘の斜面に沿って作られた高級マ…

秘密の小部屋

十二月三十日(金) 普段着とは言えかなりワルっぽい恰好をした見かけない営業の男がO嬢と話をしていて、急に顔を近づけてから「シメは××だな」と言う。「何でわかるんですかあ?息嗅いだんですかあ?」と驚くO嬢。男は笑いながら、「この手の女子はだいたい…