2014-11-01から1ヶ月間の記事一覧

男女對抗戰

十一月三十日(日)晴 會社のAちやんが幹事となつて、社内で野球の男女對抗戰をやることになつた。但し、其の聲は完全に尾野真知子になつてゐて、Aちやんは聲質を氣にしてゐるやうなのだが、余は男は結構さういふ聲が好きなものだよと励ます。さて、余も當然…

惡童と理麝發香

十一月二十九日(土)陰時々晴 藤が丘にてリハビリの後横濱市營地下鐡をあざみ野から阪東橋迄乘り、徒歩シネマ・ジヤツク&ベテイに到り、晝過ぎより映畫『惡童日記』を観る。言はずと知れたアゴタ・クリストフのベストセラー小説の映畫化作品である。小説を讀…

名醫録

十一月二十五日(月)雨 『今丗 醫家人名録』といふ本がある。文政三年の上梓であるから今から二百年近く前の、名醫リストである。『醫家傳記資料(上)』(青史社一九八〇刊)に影印として収められてゐる。其の當時井岡家では道安は既に亡く其の息冽、號櫻仙が現…

夢解き

十一月二十日(木)陰後雨 昨日より風邪氣味となり此の日午後早退して家で安静に過ごす。 先日の夢を何故見たか思ひ當る節があつた。暫く前にAちやんと話してゐる時綾瀬はるかの話題が出て、余が可愛くて好きだといふとAちやんは可愛いとは思はないと言つた。…

風邪氣味

十一月十八日(火)晴 會社の同僚で余が可愛がつてゐる女の子にAちやんといふ若い娘が居る。二十代半ばで、色白で綺麗な顔だちをしてゐるのに、變に可愛い子ぶらない処が氣に入つてゐて、一緒に仕事をするのが樂しいのである。其のAちやんが昨日寒気がすると…

儒醫

十一月十七日(日)晴後陰 『伊澤蘭軒』を讀む事日課の如し。その百十五迠進む。其の間蘭軒も亦儒醫たりし事を知る。奇遇と言ふべし。圖書館より岩波の鷗外歴史文學集の當該巻を借りて併せ讀んでゐるが、是に大いに助けられてゐる。全集本は漢詩漢文は白文の儘…

三味線三昧

十一月十三日(木)晴 夕刻着物を着て豪徳寺に至る。七時より本樓にて松岡正剛先生プロデュースの『三味三昧』を聴く。本條秀太郎師の三味線の會である。一昨年の春秀太郎師の三味線の音色に出會つて以來、余の邦樂觀は一變し江戸に遊ぶ心持ちの樂しきを知るに…

《津山藩医井岡道安とその時代 ― その二 》

三、三百石の藩醫前號の最後の方で、寛政四年に津山に於て宇田川玄隨が行つた解剖に立ち會つた醫師として「井岡洞安」なる名前があり、それが道安であらうと推測した。その後になつて津山洋學資料館のウェッブ上の表記そのものが誤りであることが判明したの…

ネクタイとカード

十一月八日(土)陰時々小雨 廃棄第二彈。最早滅多にすることのなくなつたネクタイを五十本程捨てる。古い物だと三十年近く前に買つたネクタイで、多くは仏蘭西駐在中に求めたもの。昔は普通にネクタイをしてゐたし、好きで結構買つてゐたのである。其れでも氣…

足萎

十一月五日(水)陰 『伊澤蘭軒』を讀む事日課の如し。その七十一に至る。蘭軒三十有余歳にして足疾を得、後に兩脚全く廢するに至るを知る。余は肩疾に苦しみ筆硯や竹音を稍遠避けざるを得ず、専ら讀書に勤しむ日々であるが、脚は到つて頑健である。歩行の困難…