2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧

新語

六月二十九日(月)晴 新しい言葉を思ひついた。「飼ひ生き返り」である。元の言葉は勿論「飼ひ殺し」であるが、そのやうな状況に追ひ込まれながらも、それを逆手に取つて自分の新たな境地を切り開いて生き生きと暮らすことを指す。余の切に目標とする處である…

茶會

六月二十八日(日)晴 絽の御召を着て家人と倶に八時前家を出で、電車で赤坂見附まで往き徒歩ホテル・ニユーオオタニに到る。九時半よりメインアーケードの宴会場にて煎茶道東阿部流五世家元襲名二十周年記念茶會に参席。六席ある中の五席に入り、三時過ぎ辞し…

椅子到着

六月二十七日(土)陰 午前書齋用に買ひ求めた椅子が届く。今まで革張りの椅子を使つてゐたのだが、大き過ぎて邪魔な上夏場は背もたれが蒸し暑く黴も生えやすい。しかも、ボルトが欠けて高さ調節も出來なくなつてゐた爲、思ひ切つて購入を決めたのである。先週…

ダブルブツキング

六月二十二日(月)晴 會社が用意した簡易宿泊施設で目が覚めた。体育館ほどの廣さにたくさんのベツドが一基づつ獨立して並んでゐる。皆白いシーツが敷かれて清潔な感じがする。七時過ぎらしく既に身支度を始めてゐる者もあるが、會社はすぐ近くなのであるから…

色々な出來事

六月十七日(水)陰 高臺にあるリゾート風露天風呂ないし温水プールである。水着にゴーグルを付けたわたしは皆を驚かさうと潜水を試みるが尻が浮かんで潜る事が出來ない。失笑を受けながら何度目かに深く潜ることに成功する。階段状に深くなつてゐて、相當な深…

梅雨

六月十日(水)晴後陰 梅雨である。皆梅雨に入つたことを憂鬱さうに言ふ。余は日本らしい良い季節になつたと思ふ。すつかり忘れてゐた場所にきちんと紫陽花が咲いてゐるのを見ると、季節の巡りの確かさに驚くやうな嬉しいやうな氣になるのである。湿気の多い気…

寝てゐる人

六月七日(日)陰 絶對に來ぬ人を待つて銀座の街頭に立つてゐる。百貨店の入口のやうな處である。待合せなのか私と同様に立つて待つてゐる人が多い。中に知つた顔もあるのだが、互ひに知らぬ顔をしてゐる。來ないのは分かつてゐても、もし來たとしたら彼ら彼女…

仕事

六月五日(金)晴後雨 轉居して荷物の片づけをしてゐると電話が鳴つた。取ると相手は英語でレブロン社のトニー・ローマ氏であるといふ。私の勤める會社と取引をしたいのだが、私に是非窓口になつて欲しいとの事である。そして、他の香料會社は二社すでに提案プ…

《津山藩醫井岡道安とその時代 ― その六 》

九、明和六年の東洞と京 補説 前號の最後に、明和六年を一般には馴染のない時代ではないかと書いた。其れは主に文化史的な意味合ひでさう言つたのであるが、改めて考へてみると幕政史としては決して閑却されてゐる時代ではないことに思ひ至つた。すなはち、…