2014-03-01から1ヶ月間の記事一覧

宿酔

三月二十五日(火)晴 吐き気や頭痛はないものの、眠けと怠さの殘るまま出勤。休暇中のあきちやんの居ない職場は味氣ないこと此の上なし。仕事は割に多く、澤山処方を作る。定時退社、歸宅後尺八を吹く元氣なく細筆での黄庭堅碑文下書きの臨書を為す。夕飯前丁…

掃苔の會

三月二十四日(月)晴 會社を休み八時半家を出で一如庵に赴く。十時半より尺八稽古。其の後神先生と鶴巻町キヤトル・フオンテーヌにて午餐。更に倶に早稲田より都電にて雑司ヶ谷に到る。文人墨客の墓を廻る第二囘掃苔の會にて、待合せの都電停留所脇に参ずる者…

彼岸

三月二十三日(日)晴 家人と車にて元麻布長玄寺に赴く。日向は暑き程の好天也。實家の母親と妹及び甥夫婦の來るも全員悉く無愛想極まる對應也。余が花代管理費を寺に納めるも礼の一言もなし。月々僅かなれども仕送りを續けたる事に對しても當然と思へるにや、…

小津好み

三月二十一日(金)陰時々晴 朝書道をして朝食方々高校野球開会式及び第一試合を観た後晝過ぎ和服にて家人と外出。鎌倉驛より徒歩鎌倉文学館に至る。小津安二郎生誕百十年の所蔵品展を観る。小津の遺愛の品々を見る。スーツや着物、スヱーターなどあり。又手帳…

桐生伊香保

三月十九日(水)陰時々晴 有給休暇消化促進の為會社を休み家人とドライヴに出づ。首都高途中混雑もあり、晝前桐生織物記念館に着く。桐生はかつて西の西陣と並び称される程の絹織物の産地にて、織物産業の一端に触れん事を期して赴く。街並みは普通の地方都市…

徒然棚

三月十六日(日)晴 茶の湯稽古日。其の後十六號線沿ひにある古建具や欄間、古家具の専門店古福庵に赴き、家の飾りに為す欄間飾り等を探すも寸法の合ふものなし。氣長に探すより他なからん。夕刻尺八を吹き、鋤焼の夕飯を食して後歸宅。肘の関節痛を覚ゆ。

横櫛と宝石

三月十五日(土)晴 余は縮緬の縞の着物に茶の帯、家人は大島に刺繍の入つた博多帯にて九時半出発。電車を乘り繼ぎ半蔵門に至り、徒歩國立劇場に十一時過ぎ到着。チケツトセンターにてチケツトを発券して大劇場に入る。晝食を早めにとり、十二時より三月歌舞伎…

妄想全開

三月十四日(金)陰 晝過ぎ會社を出で六本木に向かふ。同行は同僚ふたり。東京ミツドタウンの香水売場など見た後三時半イースト地下のホールに入る。其の場で後から來たY子と合流。四人で四時からイツセイミヤケの香水新発売のイベントにて某香料會社仏蘭西人…

畫壇

三月十二日(水)晴 近藤啓太郎著『大観傳』讀了。大観を知るとは要するに天心を知る事に他ならない。天心について改めて興味を抱いたのと同時に、観山や春草との関係もよく分かつて得たものの多い讀書であつた。文展や院展、二科展の関係や経緯も分かり近代日…

ドツキリ

三月十一日(火)晴 五歳の娘に銀行頭取の御曹司が求婚したら親はどうするかといふドツキリ番組である。冒頭松方弘樹がその御曹司の顔に似せた大きな人形を殴りつけるところから番組は始まる。暗転してカメラは地下通路から地上に上がる階段脇へと移る。東映ヤ…

妄想修業

三月十日(月)晴 會社は樂しいことばかりで仕事は樂。ありがたい。 四人のお氣に入り娘たちは、各々余にとりて違ふタイプの存在である。ひとりは自分が高校二年生で彼女がクラスの違ふ学園のマドンナのやうな存在。高嶺の花だが、何かのきつかけで普通の會話…

吉祥寺六義園競馬香

三月九日(日)晴 着物にて家人と外出。まず本駒込にて地下鐡を降り徒歩吉祥寺に赴く。甲斐荘楠香及び甲斐荘家の墓に詣づ。楠香の妻彦も此処に葬られてをり、其の短い生涯に興味を持ち調べてゐるので其の報告の意味があつた。其れから六義園に行き園内散策。ず…

アレグラ・ジエネリツク

三月八日(土)晴 朝久し振りにゆつくり寝てゐやうと思つてゐたが、結局七時半に起きてしまふ。晝食の後杉田の病院に行き例年通り花粉症の薬を貰ふ。他は特に予定もなく、此の春部長に昇格するS君の為に記念の色紙を揮毫す。また、よく尺八を吹いた。二尺一寸…

人間製造機

三月五日(水) トヨタの総合研究所に來てゐる。といふか、余も其処の研究員らしい。中央の巨大な建物には丸い大きなコンピユーターが置かれ、其れは生産効率を上げる為の人材育成に必要な食料の設計をしてゐるのだといふ。棚にはありとあらゆる食材が置かれて…

寺町夷川紫野

三月三日(月)陰晴不定時々小雨 ホテルに荷物を預けてから三條通りで朝食の後十時半烏丸御池驛にて如覚と落合ひ、再び三條を東に進み亀屋則克にて菓子を購ひ、また分銅屋にて濃紺の足袋を買つた後寺町通りを北上、香炉を物色したいといふ如覚に付合ひ骨董古美…

如道忌

三月二日(日)陰後晴 奈良から東福寺に移動し、十時前明暗寺に入る。坐禅衣に着替へ十一時より如道忌献奏始まる。余は八番目に流し鈴慕を吹く。音は出てゐたが、曙調子のH氏とは其の日の朝一度合せただけなので所々テムポが乱れて今一つの演奏となつた。また…

奈良の雨

三月朔日(土)陰後雨 睡眠不足氣味ながら八時過ぎ宿を出で京都より近鐡にて奈良に赴く。十時過ぎ御一行到着し、車五台に分乘して唐招提寺に赴く。拝観の後興福寺近くの菊水楼に戻つて晝食をとる。美味也。其の場に神先生九州より到着し、午後は大和文華館に行…