花鳥風月

今年の紅葉 2

もう一枚。同じ依水園。 依水園紅葉

今年の紅葉

奈良に行って来た。 紅葉が見ごろで美しい景色に何度も出会った。適度に混んではいるが、京都の狂乱にくらべれば、遥かに心地よく落ち着いて景色を楽しめる。写真は依水園で撮った一枚。紅葉は見事なのに小春日和で暖かい、最高な一日であった。 奈良依水園…

紅葉 3

江戸城二の丸跡の紅葉である。 江戸城がどこにあるのか知らない人、皇居が元江戸城だと思っている人が結構いる。天皇家は江戸城を間借りするにあたって、さすがに本丸は遠慮して西の丸に住居を定めた。おかけで今も本丸跡やこの二の丸には入ることができる。…

紅葉 2

白河の翠楽苑の紅葉。2年前の秋である。旅行に行けることがこんなにも嬉しいものかと思えた、コロナ禍の中の秋である。 紅葉

紅葉シリーズ 1

秋も深まり急に寒さを感じるようになった。 この季節らしく過去の紅葉の写真を幾つか載せていくことにしたい。 まず下の写真は伊豆の韮山で撮ったものである。昨年、江川英龍に興味を持って韮山代官屋敷を訪ねた際に、近くにある寺の銀杏の紅葉が美しくて撮…

スイス

スイスは物価が驚くほど高いことしか記憶にない。 この写真も、何の山を撮ったのかよくわからない。 でもまあ、奇麗な景色ではある。 山

和こりごり

日曜はお初香であった。コロナ明けでもあるし、依頼された原稿の締め切りも迫っているしで、本当は行きたくなかったのだが、前々から決まっていたことだから仕方がない。何より着物を着るのが面倒だし、袴を穿くのも久しぶりで心もとない。香席で筆者をする…

蘭の花

蘭の花が今年は咲いた。数年前笠間稲荷の境内で買い求めたもので、なかなか咲かず、今回が二度目である。気まぐれなところも我儘な貴婦人のようで嫌いではない。わたしは植物を育てるのが苦手で、盆栽も花もすぐに枯らしてしまうのだが、家内が適度に水をや…

京嫌い、再び

とにかく京都が嫌いである。京都が好きでよく行っていた自分に腹が立つ。京都の鼻持ちならない文化と風土に反吐が出る。酔っていたのである。浮かれていたのである。厚化粧の下にある、老いさらばえてなお色気づく醜悪さや堅実なようで見栄っ張りなところか…

五月十五日(金)晴後陰

在宅勤務、例の如し。ゲラ校正の仕事が主なれば在宅にて集中して事に臨み、捗る事出社時の比に非ず。逆に夕刻には疲労困憊す。夕刻逍遥すること昨日に同じ。既に紫陽花の花芽の育つを見る。また、路傍、人家の庭に紫蘭の咲くを多く目にす。散策の愉しみのひ…

疲離嫌

守破離ならぬ疲離嫌である。言うまでもなく「和」の事である。音曲、書、絵画、茶、花、香、食、酒、着物、住、骨董、詩歌その他諸々、ここ十年くらいずっと「和」を好み、実践して来た。ところが、令和になったからという訳ではないにせよ、ここに来て和に…

悲しい現實

會社での事である。海外の重要顧客の重要人物が數名來日して會社を訪ねるといふので、前代未聞のもてなしをするため普段會議などに使ふ部屋を特別な室禮に誂へた。仮設の和室を設け、野点傘に紅白の幕、白い石を敷き詰めて前後に大ぶりな漫開の櫻を二本置き…

水石と竹韻

上野の東京都美術館にて「日本の水石展」を觀る。出品數も多く樂しむを得る。水石は長年の趣味なれど、これほど多くの水石を一度に觀るのは初めて也。廣小路で晝食の後午後一如庵に赴く。二時より如道會例會にて、竹韻に接す。余は布袋軒鈴慕を吹く。三月の…

廃墟の美

あるフランス人女性と喋っていて合点がいったことがある。自分もつねづね感じていた、茶道のインチキくささを見事に言い当てていたからである。彼女は日本に来て11年、鎌倉市の骨董店で働いている。日本語は全く問題なく話し、着物が好きだという。家内が知…

香りの器

七月三十日(日)陰 静嘉堂文庫に赴き「珠玉の香合香炉」展を観る。佳品多く楽しむを得る。香合は小さきもの多く、蓋し収集に最適のものならん。香を容れる実用より、飾り物・置物として愛玩の対象たりしこと歴然也。香道具の展示もあり、また曜変天目も公開さ…

紫陽花

六月十四日(水)陰後晴 あぢさゐの季節になつた。朝晩の通勤に通ふ川沿ひの道にも、今朝立ち寄つた圖書館の植込みにもあぢさゐの花がほぼ満開である。余はよくある群青から紫紺の紫陽花や愕紫陽花があまり好きではない。見飽きたといふこともあるが、今日のや…

夏目坂から嵯峨棗

三月二十五日(土)陰 十一時より一如庵にて尺八稽古。其の際先生より六本木の倫敦ギャラリーにて嵯峨棗の展示があるから店主に紹介がてら一緒に行かないかとの話があつた。本來此の日は家人と近代美術館の樂家の茶碗を見に行くつもりなるも、勿論快諾して、…

十八年ぶり二十五年ぶり

三月十八日(土)晴後陰 午後高校時代の友人O氏来庵。薄茶、聞香、尺八の後懐石。滅多に会うことはないのだが、会えばしっくりと色々な話の出来る得難い友人である。十八年前に花火を見にたくさんの友人とともに当時藤沢にあつた拙宅に来てくれたのは覚えてい…

梅便り

一月三十一日(火)晴 晝休み散策に出で梅屋敷跡まで脚を伸ばす。昨日より氣温は大分下り風もあれど日向は陽光暖かく快適也。梅屋敷の梅は四分咲ならんか。紅白の梅花馥郁たり。余は白梅の香を好むものなれば昨日に増して芳香を樂しむを得たり。苑域の狭くなり…

和のもてなし

十一月十九日(土)晴 午後台湾からの賓客を嶺庵に迎え、煎茶、聞香、抹茶の後尺八古典本曲を吹き、宴席となる。和歌山の酒「紀土」を出したら知っていた。恐るべし。写真は嶺庵の茶花である。楽しく過ごすことが出来た。

雅楽と茶会

十一月十三日(日)晴 昨日土曜は三宅坂国立劇場に赴き『創造する雅楽』を聴く。芝祐靖作曲の雅楽曲「招杜羅紫苑」と「雉門松濤楽」の二曲也。六年前に初めて大阪で雅楽を聴いた時のことはこの日乘の2010.10.29の項に書いた。正直言って退屈したのである。今回…

横櫛再会

十月二日(日)陰時々晴 九時過ぎ車にて出發、一路甲府に向かふ。晝前山梨縣立美術館に到着。レストランにて晝食の後『煌めく名作たち』展を觀る。京都國立近代美術館所蔵作品を中心にした展覽會である。好みの問題もあらうが、總じて日本畫の方に優品が多かつ…

楠と鴫

九月十七日(土)陰時々晴 家内と車で町田に行き岳父母を乗せ小田原に向かう。松琴楼にて鰻を食した後誓願寺に墓参。外郎を買った後渋滞の中一路湯河原へ。五所神社に赴き、楠の大木二つを見る。樹齢650年と800年とのことにて、さすがに生命力横溢した樹容なり…

言靈

五月四日(水)晴 午後鎌倉建長寺に赴き金澤翔子さんの書展を觀る。素晴らしい。般若心經の丹精、蘭亭序の品格、いろはの破格、魂魄の氣迫。しかし何と言つても「言靈」の鬼氣迫る力強さに言葉を失ふ。忘れかけてゐた「ことば」への畏敬を思ひ出すに足る、文字…

櫻ライトアツプの馬鹿馬鹿しさ

三月二十五日(金)陰 家の近くにいたち川といふ川があつて、その川岸が遊歩道になつてゐる。其処に染井吉野の櫻が並んでゐて、今日からライトアツプが始まつたが、此れが全く馬鹿げた代物なのである。と言ふのも、數年前それらの櫻の川面に向けて伸びた枝をば…

うなぎと櫻

三月二十日(日)雨後晴 岳父母と家内を乘せ車にて川越に赴く。晝頃着くもいちのやなる鰻料理の店で二時間待ちにてやつと鰻重を食す。待つた甲斐あつて美味也。其れから喜多院に行き拝觀。枝垂れ櫻すでに花開きたり。五百羅漢も觀た後蔵つくりの續く通りを散策…

茶話會

三月十九日(土)雨後陰 會社の同僚S氏を招いて茶話會。もうひとり臺湾からの賓客も招いてゐたが、身内に不幸があつて臺湾に歸つてゐるので殘念ながら來られず。煎茶道での玉露の呈茶、聞香、薄茶といつも通り進み、尺八を聽いて貰つた後は酒席。S氏は藝術や…

曜變天目と瀧落

二月二十一日(日)晴 九時半過ぎ車で家人と出で静嘉堂文庫に赴く。曜變天目、油滴天目、長次郎作黒樂銘紙屋黒、唐物茄子茶入等茶之湯の世界で有名なる優品の數々を觀る。特に稲葉天目の別名を持つ曜變は、其の稲葉家からの賣り立ての際の経緯を高橋箒庵『萬象…

かをりをりのうた 9

一月二十九日(金)雨 いづれともわかれざりけり春の夜は月こそ花のにほひなりけれ ―和泉式部〜『和泉式部續集』より 十八・九歳の頃余は和泉式部に耽溺してゐた。岩波文庫『和泉式部歌集』は當時の愛讀書であり、好きな歌には番號に丸を付けてゐる。今囘見直…

二日目

一月二日(土)晴 暖かき正月也。遅く起きて箱根驛傳を觀る。午後近所の神社に初詣に出掛け、後嶺庵にて最近入手した香木を聞いて銘をつけ、さらに岳母の社中の初釜にて行ふ予定の組香を新たに考案する。さらに恒例の、今年の抱負を妻と二人分墨書する。また、…