櫻ライトアツプの馬鹿馬鹿しさ

三月二十五日(金)陰
家の近くにいたち川といふ川があつて、その川岸が遊歩道になつてゐる。其処に染井吉野の櫻が並んでゐて、今日からライトアツプが始まつたが、此れが全く馬鹿げた代物なのである。と言ふのも、數年前それらの櫻の川面に向けて伸びた枝をばつさり斬つてしまひ、すつかり寒々しく花の少ない姿に成り果ててゐるからである。今年はさらに丁度姿かたちの良くなった新芽の出て美しい柳の木まで切るといふ狼藉ぶりである。川の中州などに自生した花も木も清掃の名目で根こそぎにしてしまふのである。余が先日其処から活ける花を取つた雪柳も丸きり全部刈り取られてゐる。これは區の土木課か何かが業者を呼んで切らせたものだらうが、きちんとした植木屋ではなくナントカ組といふ土木屋にやらせてゐる爲全くセンスのない出鱈目な斬り方である。同じやうに先年、植木屋ではなく土建屋に切らせたものか、せつかくの櫻が無慙な姿になつて此処數年生き恥を晒してゐるやうなものなのだ。區と業者の癒着か不適切に安い入札価格で専門家によらぬやつつけ仕事になつたかどちらかを疑つてみる必要があらう。抑々税金を使つてまで貧弱な櫻のライトアツプをするくらゐなら、きちんとまともな造園・園藝業者に依頼して美的に許容しうる剪定を毎年行えばいい話なのである。行政のピント外れでセンスのない金の使ひ方の典型と言ふべきもので笑ふより他はないが、毎日往き歸りに無慙な櫻の枝を見てゐると嘲笑よりも怒りを感じて來る。すかすかの枝に殘つた僅かな花を照らすライトアツプなど笑止千萬、それが區民へのサービスか諂ひのつもりなら反吐を吐くのみである。横濱市榮區の土木課は最低である。