2019-01-01から1年間の記事一覧

ビッグデータ

数年前に聞いた話だから今もその通りであるかは知らないが、IT業界では2045年問題というのがあるそうだ。その頃にコンピューターや人工知能が人間の脳を超えるという。そうした時代の到来に備え、人間の究極の目的を考えるチームが、インテルなどには3000人…

ブーム

今、叢書ウニベルシタスの一冊を読んでいるのだが、この叢書を手にするのは久しぶりのことである。きわめて質の高い海外の著作を翻訳してくれるので、一時はよくこの叢書のものを読んでいた。一冊読むと、次に読みたくなるものも同じ叢書だったりすることが…

脱走劇

文樂を寫した映像を見てゐる。最後の方は寝てしまひ、終はつて皆が拍手をするので目が覚めた。ややあつて松岡老師が壇上で簡単な説明をして散會となつた。場所は丘の上の弐階建ての本樓である。多くの人は關係者なのか弐階に上がつて行き、わたしは玄關に向…

策略

自宅兼事務所の建物の中にたくさんの人がいて、忙しく立ち働いている。その一方で皆よく喋り、それがことごとく近所の人の噂である。隣の広い庭のある家にはレクサスに乗っている、事業本部長などやっていそうな眼鏡をかけた50過ぎの男がいるのだが、周囲の…

誰も不思議に思わない

考えると不思議なのである。どうしてこうまでテレビ番組に料理や食べ物があふれることになったのか。高山大人はテレビと料理は相性がいいと言うけれど、テレビで味は伝わらないからである。いわゆる食レポのおかしな日本語の下手な味表現を見たり聞いたりし…

フランスの歯磨き

このところ昨年に製作されたヨーロッパの映画を何本か映画館で観た。イタリアの寒村の無垢な青年が奇跡を起こす現代のおとぎ話のような『幸福なアザロ』、ポーランドが共産圏だった時代の歌い手の女性とピアニストの男性との、時代に翻弄された愛と芸術(音…

香り・ことば・AI

渋谷のヒカリエで開かれたセントマティック社のKAORIUMのプレス発表会に行って来た。「香りの超感覚体験を作る共創型プロフェッショナル集団」による、「香り」と「言葉」の変換システムだという。そう聞いては、香りと言葉のプロを自認するわたしとしては、…

中二病

この言葉が広く知られるようになって久しい。その特徴や実例を読むと今の自分にもあてはまることが少なくなくて苦笑を禁じ得ないが、振り返れば確かに中一の秋ぐらいからから中二の終わりまでは、大人ぶって背伸びしているくせに驚くべき無知さをさらけ出す…

女の聲

ネズミという名のコンピューターのCMが嫌いである。何坂だか知らぬが、とにかく女性のタレントグループが出ていて、ネズミ、ネズミと連呼するやつである。ぱっと見てわたしの好みの女の子がいないこともあるが、何よりその歌声が嫌いなのである。ひとりひ…

昔のFM

中高生のころ、よくFM放送を聞いていた。あの頃はオーディオに凝った高校生など案外多くて、親にせがむと母親がコツコツ積み立てていた貯金を出して、テクニクスの「ステレオ」のセットを買ってくれた。嬉しかったが、今考えると申し訳ないような気にもなる…

京都ぎらい

わたしは京都が嫌いである。一時は足繁く通っていたこともあるが、あることをきっかけにつくづく嫌になった。なまじ好きだっただけに、ケチがついて嫌いになるととことん嫌になる。京都生まれや京都に住む人たちに知人は増えたし、中には結構親しくして貰っ…

一流のもの・こと

若いうちから一流のものに触れておけとはよく言われることである。確かにその通りだと思う。若く頭や感性が柔らかいうちに一流のものに触れていれば、後の人生においてものごとの判断の際に正しい基準が持てるだろうし、審美眼も育つ。とは言え、育ちの良さ…

ものの数にも入らない

こちらでは親しく接して貰っていると思っているが、要するにその人にとって自分がものの数に入っていないことがわかって寂しくなることがある。ある写真家の写真を江戸絵画と組んで見せるという試みがあって、これを見た人が感動してこの試みを多くの人に知…

京大式

カードの作成を始めた。もちろん、クレジットカードでもタロットカードでもなく、B6のいわゆる京大式のカードに読んだ本から得た知識やアイデア、関連する事がらなどをメモしていくのである。学生時代に鏡の研究をしている際や、最初の著作を書いていた時分…

疲労困憊

書斎の片づけに結局週末の二日間丸々掛かってしまった。腰は痛み肩は凝ったが、数えてみれば書棚から移して紙袋に詰めた書籍は350冊あまりに過ぎず、配置こそ変わったが、書棚が本で埋まっていることは変わらない。逆にどうしてそれだけの分今まで収まってい…

學魔降臨

先日高山宏大人(うし)の謦咳に接する機会があり、大いに刺激を受けた。その博識ぶりはよく知られていようが、そのとどまるところを知らぬ博覧強記の引用と脱線に次ぐ脱線の語り口には、長いこと大学の教員として学生を惹きつけてきた熟達の技があり、時に傲…

未来の生活

ずっと昔の話、テレビ電話があったらどんなに便利で楽しいだろうと(多くの人が)思っていた。今や完全にそれが実現しているが、その間にもはや電話をする人がいなくなってしまった。もちろん、今でも電話をすることはあるし、遠いところに住む親子などがテ…

ノーベル文学賞

今年はペーター・ハントケというオーストリア人の作家がノーベル文学賞を受賞した。読んだことも聞いたこともない人だが、受賞に反対する人たちの言い分を聞く限り偏りのある問題なしとしない人のようである。毎年、その時期になると日本では村上春樹の受賞…

赤い星

与那原恵著『赤星鉄馬消えた富豪』読了。珍しく新刊本屋に立ち寄った際に目に留まり、読みたくなって購入。あっという間に読み終わった。 帯に「いったい彼は何者だったのか?」とある通り、赤星鉄馬のことを知る人はほとんどいないだろう。かく言う私も、大…

テック族

日経ネット版で連載中の「プロ野球動かしたテック族」が面白い。近鉄とオリックスの合併に始まった一連の球界再編の裏側に関わった人々を取り上げ、スポーツ新聞ではわからない「ことの本質」を丁寧に検証している。これを読むと、激動のパリーグが、ソフト…

サムライ?!

稲葉ジャパンの人気が芳しくないという。プレミア12の視聴率が悪く、試合時の球場の客入りも悪いという。ラグビーワールドカップの後だけに、世界トップクラスの選手が集うとは言い難いレベルの低さが明白な上に、稲葉監督の用兵にも疑問だらけであるから、…

下品な顔

テレビのニュースを見ていて急に嫌な気分になってチャンネルを換えるか消すことが最近多くなっている。言うまでもなく、安倍とトランプが出てくると、人品の卑しさ下品さに思わず顔を背けたくなるのである。安倍の卑劣さと開き直った厚顔無恥には呆れ返るし…

ロシアルート

駅前の広場を足を高く上げて歩く男がいる。昔のナチスの行進のようでもあり、さらにそれを滑稽にしたようでもあった。何やらブツブツ言っているので、明らかにちょっと頭のおかしい輩である。よせばいいのに会社の連中が何か言ったのか揉めはじめた。私はト…

断片集

喉が詰まった感じで気持ちが悪いと思っていたら口から蛇が頭を出した。うっと思いながら思い切って頭から蛇を引き抜くと胃がすっきりした。 フランス人にフランス語で指圧について熱心に説明している。 空を移動する馬がいる。斜めの構図で固定したまま静止…

音楽といふもの

トッパンホールで開かれた神令尺八演奏会に行く。曲目は根笹派調・下り葉、越後三谷、布袋軒鈴慕、琴古流鹿之遠音、諸井誠作曲対話五題。最後の二曲は、それぞれ青木鈴慕、藤原道山との連管。破綻のない綺麗な音色である。プロの演奏と言ってしまえばその通…

怠慢のアウトソーシング

給与や勤怠関係の業務が外部の業者に委託されてから数ヶ月経つが、これがまったく使えないシステムである。名指しで悪いが、ペイロールという会社である。ペイロールとは米語で給与そのものを指すから、そのネーミングからして嫌である。株式会社お給金、と…

札幌マラソン

東京オリンピックのマラソンなどの競技の開催地が札幌に変更されたそうだ。私は小池都知事を支持していないし、そもそも日本でオリンピックをやることにも賛成でなかった。それでも、この唐突で常軌を逸した決定には、納得いかないものを感じるし、都が費用…

国宝級

私はのんさんこと能年玲奈の大ファンである。あまちゃんで出会って以来、そのピュアで透明感のある可愛さとその憑依型の演技に魅了されて来た。声も好きだし、その顔立ちがきわめて魅力的だと思うのである。いまだに、自ら監督した映画で女子高生役をやって…

優勝

ラグビーワールドカップが南アの優勝で幕を閉じた。予選プール2位からの決勝トーナメント進出、いわばワイルドカードであるから、ナショナルズやホークスと同じである。今年は、そういう年なのかも知れない。エゲレスのディフェンスはそこそこ良かったが、ニ…

奢りの驕り

数年前パリに行ったとき、現地法人の社長になった会社の後輩と食事をした。凱旋門に近いフランス料理の店で、接待に使うのか、なかなか美味しかった。その時彼はご馳走してくれた。会社の経費だろうが、とにかく私にお金を払わせなかった。私は、こちらでご…