2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

雨の中のフジタ

七月三十一日(日)雨 昨日のフジコに続き今日はフジタを見に箱根にあるポーラ美術館に車で往く。雨は箱根山中で一際強く降つてゐた。 フジタ、すなはち藤田嗣治の絵を一度にこれだけ観るのは初めてであるが、さすがに上手い画家だと思ふ。日本の女を風俗画…

ショパンと空海

七月三十日(土)雨後晴後夜になりて雷雨 午後家を出で上野の東京文化会館にイングリット・フジコ・ヘミングのピアノ・リサイタルを聴きに往く。昔フジコの軌跡を追つた番組をテレビで見て興味を持ち、CDも持つている。春先にチケットぴあの抽選で当たつて…

飲み終はらなかつた薬

七月二十九日(金)陰後雨 足裏のまめが潰れて痛いので絆創膏を貼らうと帰宅後に薬箱を取り出した。随分久しぶりのことで、見るとみどりさんや亜姫乃に処方された薬や使用期限の切れたビタミン剤などがたくさん残つてゐる。最早用のないものだから処分すること…

或る発見

七月二十八日(木)陰時々雨 梅雨のやうな鬱陶しい天気である。七時四十分出社。今日は残業無しの日とのことで、最近では珍しく定時で退社。帰宅後軽く尺八の稽古をし、夕食の後これまた久しぶりにジムに行く。此処十日ほど飲み食ひすることが続いて、腹廻りが…

藁半紙

円卓のやうなものに何人もが集まつて座り、何ごとかを議論してゐる。見渡すと小学校の時の同級生や会社の同僚などが混ざつてゐるが皆大人の姿である。誰かが、「無理に白くする」ことについて批難を始めた。皆がそれに同調し、白いパスタや白いコピー紙など…

夏の翳り

七月二十七日(水)陰時々小雨 すつきりしない天気である。梅雨明けから続いた見事な夏が、台風ひとつ如きでまつたく腰砕けになり、暑くもなく青空も見られぬしよぼい夏になつてしまつた。嘆かはしいことである。わたしもまたすつきりしない気分が続いてゐる。…

品川の飲み屋

七月二十五日(月)晴 三時半に退社し五時より品川港南口の飲み屋虎之助にて呑む。会社のS執行役員とT副部長との三人也。余が禁酒を自粛したことを漏れ聞き及んでのお誘ひ也。社内的には不遇をかこつ立場の三人なれど愚痴めいた話はなく現状を笑ひ飛ばすの…

何でもない日曜日

七月二十四日(日)晴 午前中レクサス港南台に行き、フロントスポイラーの交換をしてもらふ。実は先日友人のМ氏の山手の新居に荷物を運びに行き、家の前の駐車場に入れる際に擦つてしまつたのである。極めて狭い道のしかも坂道から、家の前の狭い駐車スペース…

谷中の飲み屋

七月二十三日(土)陰時々晴 午前中洗濯掃除。午後家を出で、電車中にて爆睡しつつ早稲田に赴き三時より一如庵にて尺八稽古。如道先生遺愛の二尺一寸管を拝借し、三谷、根笹派虚空、阿字観を吹く。その後千駄木に出て谷中界隈を散策。旧大名庭園の須藤公園に往…

野毛のバー

七月二十二日(金)陰寒し 仕事を終へ桜木町に向かひ、野毛に飲む。一軒目は戦後の匂ひがそのまま残る「バラ荘」といふバー。日活の映画に出てきさうな雰囲気のカウンターでスコツチを飲み、其れからアブサントを飲ませるバーにはしご。同行した仏蘭西から帰任…

名古屋往復

七月二十一日(木)雨後陰 朝から涼しい。八時半出社し十一時まで仕事をし、其れから新幹線で名古屋に赴く。二時半から香料提出を行ひ、其の後とんぼ帰り。寝不足もあつて疲労が溜まり、しかも涼しいので久しぶりに風呂を沸かして入る。名古屋には八月に休みを…

雨天中止

七月二十日(水)雨時々陰 台風の接近により、職場の同僚と行く筈だつた横浜スタジアムでの横浜対ヤクルト戦が中止になり、結局同僚四人と飲む。六十代ひとり、五十代のわたし、それに三十代ひとりと二十代ひとりといふ四人だが、野球の話などで盛り上がり、帰…

喜びと悲しみ

七月十九日(火)陰時々雨 昨日のなでしこジヤパンの優勝は、色々な意味で本当に素晴らしい勝利であり、日本人であることの誇りと勇気を感じさせてくれる、ちよつと他に思ひつくやうなものがないほどの感動であつた。ただし、ユーチユーブになかなか動画が載ら…

船と鳥−或いは花鳥風月舟車飛行機

七月十八日(月)陰 久しぶりに青空を見ない一日である。それなのに暑い。さうなるとわたしの機嫌は悪い。ずつと続いた快晴の夏の空のもとであれば、いくら暑くても何だか楽しくなつてゐたから、わたしは最近自分のお天気屋ぶりが怖いほどなのである。気がつく…

備前と銀葉箱

七月十七日(日)晴 朝から有楽町国際フオーラムの大江戸骨董市に足を運ぶ。出店規模も品揃へも丁度よい感じで、大いに愉しむ。備前焼の大皿と銀葉箱に使へる木製の小箱(海外に輸出されて切手入れに使はれたといふ)、鳥の形の香炉などを購ふ。備前は今まで買つ…

香木

七月十四日(木)晴 午前中に用務を済ませ、暑い大阪を午後一に離れて帰京。其のまま原宿の妙喜庵に赴き香道の稽古と香席。今回は六国の木どころすべてを聞き、興趣が尽きぬ思ひである。十一時過ぎ帰宅。

テレビ三昧

七月十三日(水)晴 早朝家を出で新幹線にて京都に行く。出張にて得意先三軒を巡り、夕刻大阪南森町のホテルに投宿。今日は営業の諸氏は皆忙しく夕飯に付き合ふ者もなく、已む無く独りで過ごす夜となる。とは言へひとりで飲みに行く気にはなれず、ホテル近くの…

線香と懇親会

七月十二日(火)晴 昨日蚊取線香を買つて帰つた。何十年ぶりかのことである。実は先日夜中に蚊に喰はれ、思はず殺虫剤を撒いて後で悔いた。無駄な殺生と思へたからである。殺す必要はなく、遠慮して貰へばいいわけで、それには蚊取線香が一番よい。邪魔なもの…

七月十一日(月)晴

五時半起床、七時半出勤。一日忙しく働く。やることがあれば働くものだと我ながら感心する。

夏の空

七月十日(日)晴 八時に起きて洗濯、片付け。更に昨日吹いた流し鈴慕を改めて浚ふ為に吹く。本番演奏中に上手く出来なかつた処や気づいた点を確認してをきたかつたのである。昼過ぎ家を出で二時より原宿妙喜庵にて香道稽古及び香席。組香は七月七夕に因んだ星…

香りと音色

七月九日(土)晴 つひに梅雨明け。そして見事な暑さ。笑ひたくなるやうな楽しさである。 正午、麻布十番の香雅堂に赴き、小一時間かけて火道具や志野袋、銀葉を包む畳紙などを購ふ。香道教室のSさんに付き合つて貰ひ助言を受けながら決めた。聞香炉の絵付け…

竹といふ名の友

七月八日(金)陰 明日は如道会の演奏会である。わたしも流し鈴慕を連管で吹く。それで今週はなるべく早く帰つて家で練習をする積りが、かういふ時に限つて忙しくなつて定時直ぐに退社できないことが多かつた。家に着いてすぐ吹き始め、八時には止める。隣近所…

夏男、見参。

七月六日(水)晴 夏らしい毎日が続いてゐる。とても梅雨とは思へぬ晴天続きだが、わたしには丁度よい気候のやうだ。体の方は快調だし、精神状態も比較的穏やかな日が続く。暑くて寝付けぬこともない。朝晩など涼しいと思ふし、明け方はランニングシャツで寝て…

書簡を認む

七月四日(月) 夜嶺庵にて硯箱を文机に持ち出し、墨を磨つてKさんに昨日のお礼状を認(したた)む。富岡鉄斎の富士の画が透かしで入つた便利堂製の無地の便箋を用ゆ。口語体なれば平仮名のバランス悪く、書き慣れぬ事もあり思ひ通りには筆を運べず。変体仮名を…

酒と器の格

七月三日(日)晴 昼に鎌倉は浄明寺にある小さなレストランで誕生日会。わたしを含め六月後半生まれの者がたまたまKさんの周囲に三人ゐて、Kさんがまとめて祝宴を開いてくれることになつたのである。Kさんとは此の日が二度目、もうひとりのTさんとは初めて…

乾杯

七月二日(土)晴 早稲田のリーガローヤルホテルにて二時より如道会後輩の結婚披露宴に出席。人の披露宴に出るのは十年以上ぶりである。新郎新婦とも竹を吹き二人とも前から知つてゐたせゐもあるのだらうが、今まで出た披露宴よりも感ずるところが大であつた。…