2010-10-01から1ヶ月間の記事一覧

黒谷・三条通り・飢餓海峡

十月三十一日(日)陰後雨 五時起床。昨夜の坐禅は永平寺を経たせゐか坐禅そのものは辛くはなく、其れなりに工夫は出来たと思ふが、其れでも雑念は去らない。暁天坐禅は恒例通り法堂で行ひ、丁度わたしの向いた方向が東だつたため夜明けと共に明るく成り行く…

日吉・石山巡礼

十月三十日(土)陰時々晴 心配された台風も近畿からは遠ざかり、終日傘を開く事もなし。七時過ぎホテルを出で京阪特急にて三条に出る。コインロッカーに荷物を預け、地下鉄、京阪経由で滋賀県の坂本に到る。坂本駅到着九時十五分過ぎ。駅近くの観光案内所に…

雅楽の宴

十月二十九日(金)晴 昼間得意先を廻り五時前ホテルに戻る。軽装に換へてから近くの天神橋商店街を歩む。庶民的大阪的なアーケード街なるも古本屋多く、目当ての天牛書店他を覗く。森茉莉「贅沢貧乏」350円、唐木順三「日本の心」100円を購ふ。其の儘梅田ま…

寺門と国宝

十月二十八日(木)雨 午後三井寺に往く。寺門として、また謡曲「三井寺」の舞台としても有名な園城寺也。大学入試の日本史で其の名を知つてより此の方長い事訪ねたく思ふも果たせずにゐたものなれど、竟に念願叶ふ。山門前の精進料理店風月にて「三井の晩鐘…

清源流の資格

十月二十七日(火) 昨夜睡気甚だしく十時就眠して今朝六時半まで眠る。八時間半睡眠。昨日は朝大船まで三十分歩き意外に暑く汗だくになるも、帰りには北風身に染む寒さとなる。 先日清源流の資格を制定したので此処に転載する事とす。清源流資格一覧-初伝 …

上洛

明日より京都方面に出張也。週末も其の儘滞在して寺社見物等の予定なれば日乗も暫く休止とす。急に寒くなりたれば着る物に苦心す。到頭見栄へよりも防寒実用性を優先するやうになる。スーツにゴム底の歩きやすい靴といふ、絶対やらなかつた組合せに踏み切る。…

花の劣化

十月二十五日(月)陰 出社後木曜からの出張の準備に忙殺さる。とは言つても定時に退社、帰宅後一時間尺八を吹くこと常に変らず。下に掲げたる、土曜に生けし嶺庵のダリアの花既に衰ふ。花の命の短さを痛感す。最近女性芸能人の容色の衰へをネツト上にて「劣…

応挙「雪梅図」

十月二十四日(日)陰後雨 午前、日本橋三井美術館に赴き円山応挙展を観る。眼鏡絵と呼ばれる西洋風遠近法を取り入れた若描きの着色風景画も面白く見るも、矢張白眉は襖及び屏風絵たるは論を俟たず。就中草堂寺所蔵「雪梅図襖」は雪に梅てふ月並なる絵柄なれ…

家元の一日

七時起床。朝食の後掃除洗濯。九時過ぎ近くのいたち川べりを歩み、芒や名も知らぬ秋草を刈り家に持ち帰る。其の後自転車にて図書館に行き四冊を借りる。神仏習合、廃仏毀釈関連也。昼前駅まで歩み新入門のS氏を迎へ、駅前にて倶に昼食を取る。それから花屋…

東京藝術大学

朝から上野に赴き、パリのEcole des Beaux Arts(美術学校)の教師二名、学生九名と倶に東京藝術大学を見学す。彼らは二週間程日本に滞在し、京都や東京の印象を元に作品を創るといふ。今回の来日が余の勤める企業の支援したるものなれば其の縁にて偶々仏語…

日本フレグランス大賞

十月一日、第一回日本フレグランス大賞なるものが発表された。 ところが、そのウェッブを見ても、主催のフレグランス協会なるものの実体がよくわからない。賞の趣旨や選考方法、各賞のカテゴリー分類も含め不透明で、少なくとも業界やマスコミの大勢を巻き込…

十月十九日陰 

朝晩寒し。昨夜夜坐をしたせゐかわりと良く眠れ、六時に起床し読書。末木文美士『近代日本と仏教』を読む。禅宗について書かれた論文だけ拾ひ読みをするつもりだつた本だが面白いので通読してゐる。丸山真男の仏教や日本の基層に関する諸論説への考察は、丸…

脳の得手不得手

昔、香りを嗅ぎながら脳波の測定をしてもらつたことがある。東邦医大の鳥居先生の研究の被験者として、香水を嗅いで官能的な想像を働かせてゐる際の脳波のパターンを見るといふもので、後からどこかに発表されてゐたのを見た覚へがある。その時の予備実験で…

東大宗教学科と京都学派

ぺりかん社といふ出版社にはこれまであまり馴染みがなかつたが、思想史や宗教史関連のかなり良い本を出している。バリバリの学術書と一般向けの中間のやうな感じで、わたしには丁度良くて便利である。学界への目配りと気鋭の発掘への意欲とのバランスが良い…

自分で自分の本のレビューを書く人もゐるらしい

アマゾンのカスタマーレビューは、時々とても参考になるものがある。新聞の書評など内容をきちんと要約しないものが殆どだが、アマゾンではよく国語の試験の模範解答のやうに要旨がまとめられてゐるものを見かける。特に思想関連のものは、小まめに論旨を抽…

十月十四日 陰

昨夜今北洪川著『禅海一瀾』読了。江戸期に書かれたる、儒家の言辞を禅の精神にて説く書にして用字用語晦渋を極め、僅か百頁にも満たざる小著なるも読解に十日以上を費やす。岩波文庫版の読下し文にて此の態なれば漢文白文にては到底歯が立たざらむ事は明ら…

新しい名前

最近寝つきが悪く良く眠れない上に早くに目が覚めてしまふので一日中眠気が去らない。頭痛も慢性化してゐる。朝目が覚めても起き上がることもできず、暁天坐禅(朝の坐禅)を出来ないことが多くなつたので一昨日から夜坐に変へて、寝る前に坐ることにしてみ…

京都学派

末木文美士の『近代日本と仏教』を拾ひ読みしてゐる。流石に『日本仏教史』や『日本宗教史』の著者だけあつて、学説や論評を概観といふか俯瞰的に捉えるのが上手く、わたしのやうな初学者には示唆に富んでゐて有難い。中に京都学派について書かれたものがあ…

休日

十月十一日(月)晴 終日家に在り。読書及び通信執筆に費やす。J.E.ケテラー著『邪教/殉教の明治―廃仏毀釈と近代仏教』読了。明治中期までの仏教界の動きを理解するに資するところ大なり。明治の仏教に愈々興味津々となる。国家神道のみならず、廃仏毀釈のト…

女優たち

十月十日 日 雨後晴友人の個人紙に触発された格好で朝から映画を観に行く。久しぶりの飯田橋ギンレイ・ホールである。上映されたのは『パーマネント野ばら』と『春との旅』の二本。『パーマネント野ばら』は菅野美穂主演。四国の鄙びた漁港を舞台に、菅野演…

月見座頭

薪能二日目は雨のために中止となつた。 午前中にネツトで早々に其れを知つたわたしは、手持ち無沙汰に尺八を吹いて午前中を過したが、止まぬ雨に円覚寺への参禅も取り止め、午後になつてふと思ひ出して永井龍男の『秋』を書棚から取り出して読み直してみた。…

鎌倉薪能の夜

鎌倉駅より徒歩大塔ノ宮に往く。黒い幕で覆はれた鎌倉宮は普段と異なる雰囲気にて既に見物客で賑はふ。券を示して入場し、前から八列目ほぼ中央のわりと舞台に近い席に就く。五時前より各種案内の放送が入り、ミス鎌倉の紹介があつたり、今日の見所の説明な…

千夜七百冊と五十七仏

松岡先生の「千夜千冊」の通読、七百夜に到達。取り上げられた本の二割を所有、十三パーセントを読了してゐる。ところで、この千夜千冊といふ企ては、多くの本の中から良いものだけを選りすぐつた、言つてみればセレクトショップのやうなもので、松岡先生は…

疲労

ブログをアップしやうと、会社で昼休みに打ち込んでメールを家に送つたところ、其れが文字化けしてをり本日は更新出来ず。苛立ちを禁じ得ず。抑々このブログの編集画面が使い難い。余は平仮名変換を使ってゐるのだが、変換するごとに大文字英数に戻つてしま…

三時半起床。ストレッチ、坐禅、読経及び「無門関」を講読。其の後読書するも睡魔に襲はれ再び寝る。定時出社。此の日先日受けた取材を元に書かれた雑誌記事原稿につきVogue日本版の編集者I嬢とメールでやりとりす。余は自らの紹介文から会社名を除くやう頼…

或る休日

十月三日(日)陰時々晴 七時半過ぎ起床、朝食、洗濯の後図書館に行き予約の本含め四冊を借る。書名は下記の通り。 い)J.E.ケテラー著『邪教/殉教の明治―廃仏毀釈と近代仏教』 ろ)末木文美士著『近代日本と仏教』 は)戸川安章著『新版出羽三山修験道の研究』…

都内散策其の他

庚寅 神無月二日 晴六時起床。七時家を出で、九時より早稲田喜久井町の一如庵にて尺八稽古。流し鈴慕、虚空を吹く。十時過ぎ穴八幡の青空古本市に赴き数書を購ふ。宮崎滔天「三十三年の夢」を終に適正価格にて入手。昼はすず金にて鰻を餐す。其の後目白に出…

庚寅 神無月朔日 陰 五時半起床、坐禅一炷の後出勤。朝礼とて下期に向けた訓示あり。K部長の説明体を為さず。哂ふべし。定時退社し、買物して帰る。六時半帰宅後尺八練習。虚空を二尺三寸と一尺八寸で吹く。其の後独りで夕餉を食す。日乗始めたりと言へども…