2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ジュルナリスト

山間の道をずっと奥に進み、あるジャーナリストの家を訪ねる。小太りのそのジャーナリストにわたしは「先生」と呼びかけて、最近彼が書いたルポの感想を述べ、取材のしかたや執筆の姿勢などについて質問している。彼が誠実なジャーナリストであることがわか…

街の色彩

穴八幡の交差点から地下鉄早稲田駅に向かって歩いているとき、突然目の前の景色が色彩を増し、周囲の建物や店、看板やショーウィンドウなどが鮮明に見え始めた。驚いて周りを見回すと、それは1980年代の早稲田通りそのものだった。その途端にわたしは思い出…

断絶か淘汰か―家元制の未来

コロナ禍により、わたしたちの生活や社会、慣習などに大きな変化が起こると言われて久しい。たしかに、時差出勤や在宅勤務が常態化し、家にいる時間が増えた一方で、やはりひとに会う機会は劇的に減った。しかも、人前では常にマスクを着用するので、鼻と口…

日本語からの哲学

『日本語からの哲学』という本【1】を読んだ。 「です・ます」調で書いた論文が査読で撥ねられたことに端を発して、なぜ論文を「です・ます」調で書いてはいけないのかという問いから始まった思索の成果である。それだけ聞くと、世間的常識に対する反感やル…

和こりごり

日曜はお初香であった。コロナ明けでもあるし、依頼された原稿の締め切りも迫っているしで、本当は行きたくなかったのだが、前々から決まっていたことだから仕方がない。何より着物を着るのが面倒だし、袴を穿くのも久しぶりで心もとない。香席で筆者をする…

コロナ、わたしの場合-2-

回復期の後遺症としては、頭痛(後頭部や脳幹に感ずる鈍痛)や肺や気管支に痰が詰まったような気持ち悪さ、食欲不振、眠気などがある。夜中に目を覚ました際に頭痛を感じるし、朝起きる時にも吐き気に似た気持ちの悪さを胸部に感じる。頭の働きも鈍く、本を…

コロナ、わたしの場合-1-

せっかくコロナに罹ったので、罹患中の状況や症状、そして後遺症などについて書き記しておくことにしたい。数ある中のひとつのサンプルに過ぎないが、何かの足しにはなるかも知れない。 まず、ことは12月20日に始まった。朝会社に行くため駅に向かい、少し早…