コロナ、わたしの場合-2-

 回復期の後遺症としては、頭痛(後頭部や脳幹に感ずる鈍痛)や肺や気管支に痰が詰まったような気持ち悪さ、食欲不振、眠気などがある。夜中に目を覚ました際に頭痛を感じるし、朝起きる時にも吐き気に似た気持ちの悪さを胸部に感じる。頭の働きも鈍く、本を読むと眠気が襲ってくる。気力が衰え、気分的にも希望や活力が湧いてこないのである。

 それと、右顎の関節に痛みがあり、ものを噛めなくなって再び流動食のようなものしか食べられなくなったが、これは二三日で収まった。また、挫いたわけでもないのに足首が痛んで歩きづらくなったこともある。後で聞くと、関節リウマチを患っているので、コロナウィルス退治後の自己免疫かも知れないとのことであった。こちらも長引かずに治ったのは幸いであった。肺の方は聴診器で聞く限り異常はないとのことで、リウマチの治療の一環として定期的に肺のCTを撮っているので、それまで待てばいいということになった。

 以上がわたしのコロナ戦記といったところである。人から聞いた話では、似たような症状やもっとひどい後遺症もあり、このままたいした後遺症なく通常に戻れることを祈るばかりである。

 気力の衰えや軽い鬱状態は、コロナと関係なく、老化と今の会社で働くことのストレスから来るものかも知れない。いや、もっと言えば、最近自分の今までの人生を顧みて、つくづく自分の馬鹿さ加減に呆れ、挫折と敗北だらけの人生に嫌気がさしていることに因る気がしている。自分のとった言動や人生の節目で自分の決めた選択といったものが、悉く的外れな敗北への道でしかなかったことに気づかされて、絶望しか感じないのである。香料会社に就職して三十七年以上になるが、今さらにしてわたしはもともと香りになんの興味も持っていないし、今も決して好きなわけではないことに気づいたのである。そして、この会社でわたしがとった行動によって、どれだけ会社の人々に嫌われてきたかも今にして理解できる。リスペクトされるほどの貢献はしていないのだからそれを求めるのではないけれど、こうまで多くの人に憎悪と蔑視を抱かれている会社にとどまり続けるというのも、流石に気が滅入るものである。