2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

雪とミツシヨン

二月二十九日(水)雪後陰 二月二十九日に雪が降るのは何年振りのことであらうか。2008年の記憶はなく、2004年のことも覚えてゐないが、恐らく降りはしなかつただらう。雪の中を歩き、いつも通りの電車で出社。此の日三月末で終る会計年度内の仕事の「成果」を…

睡気

二月二十七日(月) 今朝二時前に一度目が覚め、一条天皇の身になつて道長や伊周、隆家、定子、彰子、行成、実資、大江匡衡、安部清明、紫式部、清少納言、和泉式部のことを考へてゐたら、興奮して眠れなくなつてしまつた。国文学者的といふか、王朝文化を雅で…

休日

二月二十六日(日)陰 午後竹を吹く。夕刻茶を点て雛霰と倶に薄茶を喫す。さらにN子の点前にて桜餅と濃茶を喫す。夕飯は蕗の薹等の天麩羅を食す。執筆進まず。

宿酔

二月二十五日(土)雨後陰 深夜腹痛を覚えて目を覚ます。頭痛吐き気あり、明らかに飲み過ぎ也。結局正午まで眠り、食事の後再び眠り、二時より入浴など支度をなして三時過ぎ家を出で一如庵に向かふ。本来は其の前に書道博物館に赴くつもりなるも、左様の有様な…

酒宴

二月二十四日(金) 定時に退社し平塚駅ビルにて買物を為し、六時半前大船に行く。改札で元上司の二人H氏とA氏と待合せ、徒歩月なみなる店に行き飲む。ビールジヨツキ一杯日本酒二合に焼酎のボトル一本を三人で空けるに久々に酩酊するも、楽しく時を過ごす事…

川沿ひの学校

二月二十三日(木) 余が朝晩通勤に歩むいたち川沿ひには学校がいくつか並んでゐる。家に近い方から、柏陽高校、本郷中学、神奈川県警察学校、西本郷中学である。警察学校を除き、何所も運動部が盛んなやうで、通勤時に川沿ひの遊歩道をランニングしてゐる姿を…

謹慎

二月二十二日(水) 余の固く物忌すべき衰日なれば終日身を慎む。早朝起床し坐禅読経の後沐浴潔斎して出社。感冒を患ひたるにより止めし大船駅までの歩行を再開す。本日は音曲も停止(ちやうじ)としたれば尺八も吹かず、聞かず。一切の快楽(けらく)を廃し、己が…

趣味の系図作り

二月二十一日(火)晴 受験で日本史を勉強した人ならわかると思ふが、古代から近現代に至るまで藤原氏の一族を抜きに各時代の天皇や権力者の名前を覚えたり事件の背景を理解することはできない。血筋や家系、門流や天皇家或は藤原家との親疎は、日本史上の人物…

枕草子

二月十九日(日) 八時起床。十一時家を出で一如庵に赴く。一時より如道会例会。余は如覚と松風を吹くも、出だしで音が出ず、途中も乱れるなどよくない出来也。其れでも、先月の独奏よりは音楽らしくなつてゐたやうに思ふ。三時半散会し、多くは八重洲に移動し…

松の風

二月十八日(土) 八時起床。朝食入浴の後九時より一時間半嶺庵にて尺八練習。松風を五回ほど。録音するに丁度七分にてテンポは悪くなささうである。其の後読書。十二時前家を出で電車で成瀬に往く。岳父とN子が車で迎へに来てくれ、N子の実家に行く。着くと…

訂正ひとつ

二月十七日(金)晴 昨日敦明親王が小一条院と号されたことに対し、恰も其れが小馬鹿にした名前のやうに書いてしまつたが、必ずしもさうではなささうだ。親王の母親は藤原済時の娘娍子だが、済時は師尹の子で、此の家流を小一条流と称してゐたやうなのである。…

言葉遊び

二月十六日(木)寒し 余は実在の氏名や既存のものの名をもじつて架空の名を作つて新たな世界を作り上げるのが好きである。言葉遊びとかもじり、駄洒落、見立て、尽しといつた遊びである。其の中で自分でも悪くない出来だと思つてゐるのが「小鳥羽院」である。…

出社

二月十五日(水) 出社するも体調思はしからず。帰宅後暖を取りつつ読書。岩波新書『摂関政治』を読み終へ、吉川弘文館人物叢書『藤原道長』を読み始む。続いて同叢書の『一条天皇』及び同書と同じ著者による『三条天皇』を読む予定也。此のところ気分は千年前…

病欠

二月十三日 起床して熱を測るに三十七度八分也。会社を休むこととす。午前中に近くの耳鼻咽喉科に往き順番を取り、実際に診察を終へたるは一時半過ぎ也。しかも、内視鏡を使つても喉に炎症の所見なし、又検査の結果インフルエンザでもなしとのことなり。あれ…

漆、香、文楽

二月十二日(日)晴後陰 早起きして夫婦共に着物を着して九時前家を出で、十時半前水道橋プリズムホールに赴き、開催中のいしかわ伝統工芸フエアを見る。出展の中にN子がかつて取材で知り合ひ交際の今に続く夫妻の営む輪島塗の老舗あり。行きて挨拶を交すに結…

二月十一日(土)晴後陰 遅めに起床。昼に家を出で車にて宮前平のM家、即ちN子の妹K子夫妻の住むマンシオンに往く。M家のひとり息子、N子にとりては甥に当るH君が立教中学に合格したれば、其の祝ひを兼ねH君を嶺庵に連れ来たりまた夕餉を倶にせんとての…

つけ麺と摂関政治

二月十日(金)晴 用向きがあつて秋葉原に往き、徒歩某協会に至り会議に出席。昼前に終り、駅近くまで戻り昭和通り口に近い煎餅屋柏屋にて煎餅数種を購ふ。此処のえび煎は絶品で此の辺りに来ることがあると必ず寄る。其の後書泉グランデにて岩波新書と講談社学…

いつもゐる人

二月八日(水)晴 通勤の往き帰りに大船駅を使ふ度に、いつも見かける人がゐる。わりと大柄な老人で、リユツクを背負ひ二本の登山用のやうな長い杖を衝いて進む。その姿が何とも痛々しく、気になるのである。足が悪くて普通に歩けないのであらう、ゆつくりとい…

私立小学校

二月七日(火)雨後陰 小学校に入学することになつた。私立の、それも女子部である。わたしは現在の姿なのだが、不安とともに初めて教室に入る。わたしはスカートを履いてゐる。N子も一緒だからいいが、ひとりだつたら怪しまれるだらうと思つてゐたら、他にも…

中世武士団ツアー

二月五日(日)晴後陰 六時起床七時前家を出で、八時半上野発の特急にて石岡に九時半着。既に諸先輩の姿在り。七人乗りのミニバンに乗り込み、中世武士団ツアーに出発す。此れは抑々神先生が石井進の『中世武士団』を読んで笠間周辺に中世武士団に纏はる遺蹟の…

ルドンと松風

二月四日(土)陰 午後N子と家を出で、丸の内の三菱一号館美術館に赴き「ルドンとその周辺―夢見る世紀末」を見る。岐阜県美術館所蔵のものが殆どで、リトグラフなどはよく知るものが多かつたものの未見の作品も幾つかあり、また予想より展示品の数が多くてそ…

王義之

二月二日(木)天晴 帰宅後嶺庵にて松風を吹く。録音して聞き、如道先生の録音と比較してゆくと細かい処の違ひがよくわかる。直すべき点を頭に入れて再び吹く。これは正に臨書なのだと合点が行く。先人の偉大な作品を前にして、その筆法、奏法を真似て倣ひ少し…

三脚交換

二月朔日(水)晴 帰途大船の山田電機に立ち寄り、先日購入せし小三脚の不具合につき問ひ合はせるに、初期不良とて取換へてもらふ。千円にも満たぬ品の、それもポイントで購入したものなるも、録音のためレコーダーを据ゑつけてもすぐにぐにやりと折れて使ひも…