2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

円柱の高みより

街中に高さ10m以上はあろうかという円柱が一本立っている。頂上の面は畳半畳ほどの広さがある。わたしはどういう訳かそこに登って天辺で腹ばいになっている。飛び降りるには高すぎるし、円柱なのでつたわって降りることも出来ない。わたしは下にいた会社の同…

記憶の町並み

土曜に街歩きをした。ブラタモリならぬ「ブラた××」の第五回で、今回は女の子三人、野郎二名の五人で三田から麻布界隈を歩いた。慶應女子もいたので義塾三田キャンから綱坂を昇り、三井倶楽部前で記念写真の後神明坂を下って中之橋で古川を渡り、狸穴に入っ…

地理からの視点

デヴイッド・ハーヴェイ『新自由主義』読了。これはすごい本を読んでしまった。世の中のカラクリ、現在の格差社会と人々の不幸の原因がわかってしまった。自分の今までの無知を恥じるというより、知って良かったと思う。いろいろなことが「見えてくる」一冊…

疲離嫌

守破離ならぬ疲離嫌である。言うまでもなく「和」の事である。音曲、書、絵画、茶、花、香、食、酒、着物、住、骨董、詩歌その他諸々、ここ十年くらいずっと「和」を好み、実践して来た。ところが、令和になったからという訳ではないにせよ、ここに来て和に…

依怙地の一徹

こどもの頃から依怙地で損ばかりしてゐる。三歳で民宿の二階から階段を転がり落ちたのを宿の人が上手く抱き取つて呉れたのが氣に入らず、直ぐに階段を昇つて落ち直して大人たちを唖然とさせたといふ。五歳になつて錢湯の歸りに夜店で賈つて貰つたおでんのつ…

悲しい現實

會社での事である。海外の重要顧客の重要人物が數名來日して會社を訪ねるといふので、前代未聞のもてなしをするため普段會議などに使ふ部屋を特別な室禮に誂へた。仮設の和室を設け、野点傘に紅白の幕、白い石を敷き詰めて前後に大ぶりな漫開の櫻を二本置き…

新元号に思ふ

新しい元号が決まつたさうだ。令和といふらしい。笑ふべき無知蒙昧の國粋主義が生んだ、何とも言へぬ珍奇な代物である。元号といふもの、それに使はれる漢字、そして其の典拠となる古典を含め、すべて中華文明からの影響を免れる譯はないのに、國風を利かせ…