2011-08-01から1ヶ月間の記事一覧

挨拶

八月二十八日(日)大安。晴、残暑甚だし 昼過ぎ家を出で、着物を持参して町田のN子の実家に往く。初めてN子の両親並びに叔父叔母に会ふ。過分な歓待を受け恐縮す。快く了承を得る。茶室で一服の後、余とN子は一度茶道具を買ひに町田駅に行き、宝永堂といふ…

礼状

八月二十七日(土)陰 午後N子来る。来る途中で今度はN子がKさんから着物を貰つて持ち来る。それもあり、久しぶりに墨を磨つて先日の有松のT先生とKさんに礼状を認む。此の日は掃除片付けも続行。長らく行方不明になつてゐた野球のグローブとアメリカで買…

着物を貰ふ

八月二十五日(木)晴 退社後横浜に向かひ、KさんGさんN子と待ち合はせ鮨屋に行く。Kさんから亡きご主人遺愛の大島紬の着物を頂戴す。茶の落ち着いた柄で、自分で言ふのも何だがわたしは茶が爺くさくならず妙に似合ふので嬉しい限りである。裄丈が少し短い…

コニヤツクとアルマニヤツク

八月二十三日(火)晴 定時過ぎ退社し品川に向ふ。七時より異臭懇談会。いつものメムバーに今日はT香料の方一人加はる。S社のTさんが四十年もののコニヤツクとアルマニヤツクを持つて来てくれ、其の香りと味はひの違ひを賞味。わたしは昔からアルマニヤツク…

雨の月曜

八月二十二日(月)雨後陰 朝ゴミ出し往復三回。雨に濡れて出勤。今朝新しい仕事が入つたのだが、これがどうにもやる気にならない。商品の名称も、商品形態も、求められる香りのタイプも、締切までの短さまで何もかもが気に入らず、力が入らないのである。まあ…

捨てるべきもの

八月二十一日(日)雨時々陰 今日も終日家の片付け。何処の家でもさうだと思ふが、いざ整理し始めてみると、何でこんなものを今まで取つてあつたのか理解に苦しむやうなものが多いことに驚く。未開封の小学生向けの学習ビデオなど其の最たるものであらうが、ロ…

涼しい土曜日

八月二十日(土)陰時々雨 朝から家の物の整理を始める。涼しいのでやる気になつたのだが、それでも動き回ると暑い。短パン、タンクトツプといふ出で立ちで不要な服、靴、ビデオテープなどを選り分けてゴミとして出す。土曜は紙ゴミと古布の回収があるので、溜…

格好いいジジイたち

八月十五日(月)晴 昼前より桜木町の映画館にて『大鹿村騒動記』を見る。改めて原田芳雄の格好良さと三國連太郎の存在感に圧倒される。映画自体も脚本がいいのかとても楽しめるし、よく出来てゐるのだが、とにかく芸達者な役者たちの語り口の見事さに痺れる。…

大須と徳川

八月十三日(土)晴 十時過ぎホテルを出で、歩いて大須観音に到る。参拝の後商店街を歩いてゐると、大須演芸場の出し物のビラを配つてゐて、思はず手に取ると今日は正午から寄席で怪談噺があるといふ。急に聞きたくなつて時間までアーケードの商店街を見て廻り…

名古屋骨董市

八月十二日(金)晴 十一時過ぎ吹上にある大きな体育館のやうな骨董市会場に着く。流石に見応へがある。着物の古着や西洋骨董も思ひの他多く、古美術級の高いものもあつて良いものを沢山見せて貰つた。ざつと一巡してから近くの食堂で昼食を取りつつN子と購入…

有松の一日

八月十一日(木)晴 犬山より名鉄を乗り継いで有松に到る。N子が懇意にさせて貰つてゐる有松絞りの老舗の当主で有松絞り・藍染作家のT氏を訪ねる。其の世界では高名な方にて余は勿論初めて会ふも、偉ぶつたところが少しもなく、色々な話を楽しく伺ふ。広い邸…

城・茶室・花火

八月十日(水)快晴、暑し。 新幹線にて名古屋に行き、名鉄に乗換へて犬山に至る。徒歩宿に到り荷物を預け、正午の炎天のもと古き城下町の面影の残る本町通りを散策。古き民家を改装した食事処にて朴葉寿司を食す。其の後商家たりし旧磯部邸を見学し蔵の写真を…

鎌倉山の蔵の家

八月七日(日)陰後雨 十時半過ぎN子と家を出でバスで大船に往く。買物をした後十一時半過ぎ駅改札にてN木夫妻と待ち合はせタクシーで鎌倉山のN本夫妻宅へ。N本夫妻は秋田から蔵を移築し、「風雅の蔵」といふ名をつけて住んでゐるのである。N本氏はKさん…

百日紅

八月五日(金)晴時々通り雨 今朝駅に向ふ途上、いたち川沿ひにある百日紅の木に花が咲いてゐるのに気づく。さうしたら至るところに百日紅があると言ふくらい目につくやうになつた。特に、大船から藤沢の間にある、タケダ薬品の大きな建物の前の道には街路樹と…

トランキル

八月四日(木)晴 青い空とそこそこ暑い朝、心も少し晴れて出勤する途中メールを受け取る。日乘を見て心配してくれた、歳の離れた妹のやうな存在の女性からである。忝くありがたい。気持ちのブレを小さくして毎日を送れたらとつくづく思ふ。 勤務時間中は忙し…

無題

八月三日(水)晴夜に通り雨 仕事の忙しさが一段落つく。立ち止まると余計な思念が渦巻き、突然何もかもが嫌になる。おめおめと生き続けてゐることが恥ずかしく、居たたまれぬ思ひに駆られる。完全に道を踏み外した思ひに打ちひしがれる。全身に力が入らず、無…

八朔

八月朔日(月)陰 晴れた青空とぎらつく太陽が恋しいのはわたしだけではあるまい。煮え切らない夏のまま八月に入つてしまつた。太つた人はたいてい歩くのが遅い。比較的歩くのが速い方のわたしは、駅構内や改札を抜けたあたりの人ごみではたくさんの人を追い抜…