名古屋骨董市

八月十二日(金)晴
十一時過ぎ吹上にある大きな体育館のやうな骨董市会場に着く。流石に見応へがある。着物の古着や西洋骨董も思ひの他多く、古美術級の高いものもあつて良いものを沢山見せて貰つた。ざつと一巡してから近くの食堂で昼食を取りつつN子と購入の方針を決め、再び会場へ。結局五時の終了間際まで居続け、大小かなりの数の骨董を購ふ。一番高いのは水指だが、他に古伊万里の食器や織部の皿、四方盆、香合など。会場で香道具一式が売られてゐるのと、銀葉挟みを見かけたくらゐで香道具は殆どない。古伊万里の皿は随分沢山出てゐるが、良いと思ふやうなものは皆高い。買つたのは五枚で最初三万五千円だつたものが一万五千まで下がり、さらに買ふ段になつて疵が見つかつた為一万になつたもの。普段使ひとしても良い買物であつた。一緒に見歩いてみて、N子とはものの趣味がかなり近いことも分かり、茶道具の使ひ方など聞きながら、様々な好ましいもの、良いものを見られた楽しい骨董市であつた。
荷物が多くなつたので宿までタクシーで帰り、一休みした後栄の鳥勢まで歩き名古屋コーチンを食す。お盆休みに入つたせゐか、街は思ひの他静かであつた。