2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

新内鑑賞會

二月二十八日(日)晴 午前中茶乃湯稽古。季節外れなれど三月に嶺庵に客を呼ぶつもりなれば、炉のない嶺庵に合せて風炉を使つた桑小卓の点前を浚ふ。早めに晝餉を取り紀尾井ホールに向かふ。一時より新内鑑賞會。各派の出演にて古典あり新作ありで中々面白く聽…

懐かしいもの・こと

二月二十七日(土)晴 十一時より道場で尺八稽古。先生より十月の某演奏會での演奏を打診さる。前向きに検討することにす。晝餉は夏目坂を上つて中村屋で地鶏南蛮蕎麦を食す。一時より學生會舘に赴き、竹友會現役學生の就職活動を支援する懇談會のやうなものに…

野球の後

二月二十四日(水)陰 廣嶋が満塁ホームラン二本打つ。其の後山本浩二が代打で出るが素振りをして腰を痛めてベンチに下がる。私は試合後その山本に挨拶に行く。すぐ脇をイチローと城島が談笑しながら歸つて行く。私も歸りかけるが球場に自分の椅子を忘れて來た…

角田さん

二月二十三日(火)晴 東京03の角田さんと飯塚さんと私のトリオでコントをやることになつた。三人は同じボロアパートに住む住人である。舞台はアパートの建物の前で、玄関の外にピアノと机が置いてある。私は机で何か書きものをしてゐて、飯塚さんがピアノを演…

曜變天目と瀧落

二月二十一日(日)晴 九時半過ぎ車で家人と出で静嘉堂文庫に赴く。曜變天目、油滴天目、長次郎作黒樂銘紙屋黒、唐物茄子茶入等茶之湯の世界で有名なる優品の數々を觀る。特に稲葉天目の別名を持つ曜變は、其の稲葉家からの賣り立ての際の経緯を高橋箒庵『萬象…

法事

二月二十日(土)陰後雨 家人と電車で石川町まで往き徒歩中村川沿ひの玉泉寺に到る。真言宗の中々立派な寺也。家人にとりて母方の伯母に當る人の十三囘忌法要也。梵唄を含む讀經朗々たるものあり。法要の後車にて根岸共同墓地に移動し墓参。さらに中華街に移り…

萬葉集

二月十九日(金)晴 數日前から萬葉集を讀み始めた。佐佐木信綱校訂の岩波文庫版と武田祐吉註釋本を併せて讀んでゐる。實を言へば余は萬葉集が苦手で今まできちんと讀んだことがない。以前海や潮の香りについての原稿依頼を受けた際に拾ひ讀みをしたくらゐで、…

文樂

二月十三日(土)晴 國立劇場に車で行き、文樂二月公演第二部を二時半から觀る。「桜鍔恨鮫鞘」鰻谷の段と八代豊竹嶋大夫引退披露狂言となる「関取千両幟」猪名川内より相撲場の段である。嶋大夫には万雷の拍手。相撲の取組や三絃の曲弾きもあつて樂しめた。ま…

職業

二月十二日(金)晴 永井荷風は従兄弟の杵屋五叟から養子を取るに當つて、其の子を「軍人、役人、醫者、教員には一切させないこと」といふ條件を付けた。其のいずれもが余も爲ることは出來ないし、爲らうとも絶對に思はない職業であるが、余なら此れに加へて政…

晴天

二月十日(水)快晴 定時に退社し櫻木町に赴く。七時より昨年入社せし若い娘三人と同僚含め六人で呑む。男性陣は30代、40代、50代の妻帯者で、女の子は22-3歳である。可愛い子たちで樂しく過ごす。最早娘としても若い程の歳の差なり。ほんの少し前の事がこの子…

かをりをりのうた 11

二月七日(日) むめの香のふりおく雪にうつりせば誰かは花をわきてをらまし ―紀貫之 此の歌は傳小野道風筆の有名な「繼色紙」にあるのだが、岩波文庫佐伯梅友先生校注本古今和歌集では、「梅の香のふりおける雪にまがひせば たれかことごとわきて折らまし」と…

江月と行倒れ淀君

二月六日(土)晴 朝有樂町に出で徒歩出光美術館に到る。「書の流儀」展を觀る。先日『魯山人書説』を讀んだせゐもあらうが、確かに一休や江月の書はよく、山陽や光悦は落ちる事が實感できた。今囘では浦上玉堂が思ひの他良かつた。光悦よりは乾山が好きで、松…

節分

二月三日(水)晴 午前中會社でフランス語の業界誌を讀むに「茶」ノートを用ゐたフレグランスの変遷に就き面白い記事あり。テイー香調を取り入れた最初の香水は一九八五年にアニツク・グタールから出たSablesださうだが、今日よくあるグリーンテイーのタイプの…

かをりをりのうた 10

二月朔日(月)陰 このごろのしぐれの雨に菊の花散りぞしぬべきあたらその香を ―桓武天皇 いつもながら季節はづれの撰歌で恐縮である。「しぐれの雨に菊の花」が實に良い。それだけで菊の香りを感じられるではないか。ただし、私は菊の花の香りがどうしても好…