新内鑑賞會

二月二十八日(日)晴
午前中茶乃湯稽古。季節外れなれど三月に嶺庵に客を呼ぶつもりなれば、炉のない嶺庵に合せて風炉を使つた桑小卓の点前を浚ふ。早めに晝餉を取り紀尾井ホールに向かふ。一時より新内鑑賞會。各派の出演にて古典あり新作ありで中々面白く聽く。贔屓だから言ふ譯ではないが、岡本宮之助師匠の「ふるあめりか」が聲量もあり滑舌もよく、平岡正明師の『新内的』を讀んで以來聽きたいと思つてゐた演目だけに堪能できたやうに思ふ。それと新内仲三郎さんの三味線は流石に繊細な粋を感じた。三時半終演、風が強い中永田町より歸途に就く。