2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ショック

会社で仲良くしていた、というよりわたしが可愛がっていた若い女の子たちが次々とわたしのそばを去っていく。この2~3年のうちに、2015年入社がふたり(OちゃんとK)、16年入社がひとり(Fさん)、退社して転職していった。そして13年入社でこのところ一番仲…

異邦人と敗者

歴史を読む中で、権力者の振る舞いや政治史よりどうしても敗者や虐げられた人々に目が行き、民衆史や生活史のほうに興味を持ちがちなのは、わたしが取りも直さず敗者であるからに他ならない。今年は数えで六十になったわけだが、この六十年を振り返って、確…

幕臣能吏の明治維新

田中正弘著『幕末維新期の社会変革と群像』(吉川弘文館、2008)に収められた、「維新変革と旧幕臣の対応」という論文を読んだ。幕臣であった宮本久平と小一父子の幕末から明治にかけての動向を追ったもので、維新による幕臣の転身の多様さの中でもめずらし…

県民性

鹿児島県出身者の集まりで香りについて講演をした。わたしは佐幕派なので完全アウェーである。とは言っても、江戸に幕臣の子孫などほとんどいないように、鹿児島出身だからといって薩摩藩の志士の末裔ばかりが集まっていることはないから、しごく和やかな雰…

旗本・香水・鏡

今わたしが最も興味を持っているのがこの三つのことがらである。より詳しく言えば、幕末から明治初期にかけて朝廷に帰順した旗本たちの動向とその背景の探求、産業史としての香水および香料業界、そして鏡とビジュアルアート(特に西洋美術)との関係、とい…

別人

熱は下がり恢復期に入ったが、心は晴れない。と言うより、前にも大病の後に感じたことだが、自分が全くの別人になってしまったような感覚がある。日々のルーティーンのリズムが崩れたせいなのか、熱やウィルスに脳が侵されたせいなのか知らないが、廻りにあ…

微熱譫妄

A型インフルエンザに罹った。一昨日の夜から具合が悪くなり、昨日午前に医者に行って判明した。忙しい時期で大事な打ち合わせもあったのだが、火曜までは出社できない。インフルエンザは久しぶりのことで、やはり年末からずっと根を詰めていたせいもあるだろ…

稲畑勝太郎

鹿島茂の本は結構読んでいる。といっても驚くべき多産な書き手なので、読んでいるのは書いたもののほんの一部なのだろうが、まあまあ楽しめる本が多い。軟硬とりまぜた、情報量の多さとそのさばき方、そしてわかりやすい図式化などが長所だが、ときに杜撰な…

歴史小説

わたしは歴史小説を読まない。ましてや大河ドラマはまず見ない。何というか、不満と違和感で不愉快になってしまうからである。司馬遼太郎などまったく好まない。「峠」だけ昔読んだことがあるが、その後二度と司馬の本を手にしていない。フィクションならま…

バロック

年末年始にやむを得ず何度か日本酒を飲む機会があったのだが、やはりいけない。頭は痛くなるし本は読めなくなるし、何より翌日以降精神状態が沈滞して覇気がなくなる。やはり飲まずにおこうと思う。ワインならそんなことはなく、かつ日本酒より明らかに旨い。…

驚異

友人から貰った年賀状に、昨年750冊本を読んだとあった。一日2冊以上だから、とてつもない量である。高等遊民として一日中本を読んでいられる境遇だから出来るとも言えるが、同じ境遇にあって自分がそれを出来るとは思えない。冊数重視だから分厚い本を避け…