酒・ひと・話し

十有余年

二度目の離婚をしてからもう十三年になる。2009年の2月にひさしぶりにひとりで暮らすようになって、仏道が身近になったこともあるが、坐禅からはじめて室町以降の日本文化の粋に触れたいという気になったこともあり、とにかく「和」のものを好むようになった…

裸顔(らがん)

昨夜は今年唯一の忘年会であった。麻布十番の店で、三十になったばかりのバツ1の若く美しい女性Sさん、彼女よりひとつふたつ上で現在妊娠中のAさんと私の計三人の密会である。何故か三人は気が合って、いつも楽しい飲み会になるのだが、この日はまたべつの…

ワイン道入門

九月十七日(月)陰 八月末から九月十日までパリに行って来た。途中二泊三日でベオグラードに行ったほかはパリでのんびりと過ごし、ワインをたくさん飲んだ。今までワインというものに無関心というか、どちらかというと冷淡な態度をとってきた。ワインの蘊蓄を…

西洋回帰

七月朔日(日)晴 千葉市美術館にて「岡本神草の時代」展を観る。甲斐庄楠音の作品も出展されていて、横櫛にも久しぶりの対面を果たした。作品数も多くなかなか楽しめた企画展であった。 最近、突然日本酒が飲めなくなった。旨いと思えなくなって、飲む気がし…

新旧の知己

十一月十八日(土)雨 今週は水曜に、鎌倉にギャラリーを構へる有名寫眞家のJ氏と仕事の打合せの後、鎌倉で飲む機會があり、金曜は高校時代の友人で二十年以上会つてゐなかつたI氏と蒲田で飲んだ。ともに話題も豊富で深い話が多く、久しぶりに知的な興奮を覚…

城巡り

六月十七日(土)晴 朝八時前家を出で新横浜から新幹線、新大阪にて特急くろしおに乗り換え和歌山に至る。旅宿に荷を預け、銀平にて昼食の後バスにて市役所前へ。紅葉渓庭園を歩み御橋経由で郭内に入る。本丸御殿跡を望んだ後天守閣前の休憩所で天守閣を眺めな…

十八年ぶり二十五年ぶり

三月十八日(土)晴後陰 午後高校時代の友人O氏来庵。薄茶、聞香、尺八の後懐石。滅多に会うことはないのだが、会えばしっくりと色々な話の出来る得難い友人である。十八年前に花火を見にたくさんの友人とともに当時藤沢にあつた拙宅に来てくれたのは覚えてい…

井の頭線の女

十一月二十六日(土)晴 夕方吉祥寺に着いた。久しぶりだったのでサンロードを中心に歩いてみた。駅の中はずいぶん変わってしまって驚いたが、北口の街のすがた自体はそれほど変わっていないようだった。ただ、店はずいぶん変わってしまったように思う。高校や…

匂い関係者

十一月十五日(火)晴 昼は私が小玉鬘と源氏名をつけた入社二年目の女性と外で食事。この子は本当に可愛くて目下私の一番のお気に入りである。今度京都に行くというので私がモデルコースを作ってあげることにする。要は娘と父親なのである。 終業後七時前に有…

金曜日

九月二日晴 朝食をゆっくり取り、九時過ぎに近くのマルシェに出掛ける。いわゆる「朝市」で、露店が道路に面しずっと続く。結構な賑わいである。果物野菜卵などを買って帰る。今回のパリ滞在中は極力自炊するつもりである。お金がないということもあるが、そ…

歓談

八月四日(木)晴 六時半より赤坂のベルギー料理店「Chez Mikawa」にて、化粧品業界の大先輩Nさん、香料業界の大先輩Yさんと三人で会食。楽しく過ごす。久しぶりのベルギービールも美味。お二人の話は興味深いことばかりであっという間に10時半過ぎとなり、タ…

一転

六月十一日(土)晴後陰 三時より一如庵にて稽古。流し鈴慕につき、音程やコミ吹きの入れ方、そしてテンポなどにつき細い指示を先生より戴く。自分でも不確かに吹いていたところもあり、色々なことが明確になってとても為になるお稽古であった。また、先生より…

無欲化

六月十日(金)晴 水曜の夜野毛で元居た事業本部の後輩二人と飲む。嘗ては楽しい仲間であったが、今や会社を背負って立つ二人とは立場も違うせいか、職場や仕事の話題中心の彼等に付いて行けず。また、会社の人間たちや状況に対して思う事にも微妙にズレが生じ…

ひとり飲み

六月二日(木)晴 昼休み散歩第二弾。吞川沿いを歩き、駅近くを歩いて嘗てMさんとよく行ったジャーニーと言うバーが建物ごとなくなって更地になり、パチンコ屋建設予定地になっているのを発見。無常迅速である。線路を越え西口に出てOUR GANGという店は今もあ…

樂しい夜

四月二十一日(木)陰後雨 此の間十五日に紀尾井ホールの演奏會「竹の力」を聴き、翌日は會社の經營會議なるものに出席し、翌日曜日は如道會例會、月曜は會社同期の歓迎會と續いた。二十日の水曜は仏蘭西から研修で來てゐる若い仏蘭西人二人と晝食を倶にし、今…

京都二日目

三月六日(日)陰 朝起きて風呂に入り九時過ぎ宿を出で地下鐡にて京都驛に往く。驛構内に粥を出す店ありとの情報を得て赴くも品書きになく止む無く其の儘東福寺に向かふ。結局何も食べずに十時前明暗寺に着き、坐禅衣に着替えて外に出て尺八を吹く。十一時より…

晴天

二月十日(水)快晴 定時に退社し櫻木町に赴く。七時より昨年入社せし若い娘三人と同僚含め六人で呑む。男性陣は30代、40代、50代の妻帯者で、女の子は22-3歳である。可愛い子たちで樂しく過ごす。最早娘としても若い程の歳の差なり。ほんの少し前の事がこの子…

寒い一日

一月三十日(土)陰 午前讀書。午後出掛けて恵比寿にて散髪を爲す。此処數ヶ月通つてゐる美容院にて、店主M氏の技術高く、姿形も良く寝癖もつきにくく滿足也。其れから三鷹に行き小學校の同級生七人と飲む。余の在籍せし學級は今も仲が良く、年に數囘はかうし…

土曜日

一月二十三日(土)晴 大寒波到來と云ふが左程寒くはない。九時半頃家を出で一如庵に赴き十一時より尺八稽古。久し振りである。二尺五寸管を拝借して吹く。音は良いのだが右腕を一杯に伸ばして吹くので肩が疲れて段々呂のロやツのメリが出にくくなる。途中で自…

久方ぶりの京都

十二月十八日(金)陰時々晴 午前中本社で打ち合わせの後午後京都に向かふ。室町通りの定宿に荷物を置き、嵐山に着いたのは四時半過ぎであつた。定家を偲んで小倉山方面を散策。時雨殿なる百人一首を記念する博物館のやうなものがあつたが、既に閉館の時間であ…

彼誰忘年會

十二月五日(土)晴 四時より中野第二力酒藏にて恒例の彼誰忘年會。今囘は珍しく二名欠席にて四人で九時半過ぎ迄飲む。今囘は話題に出た人名のうち、今まで余り名の出なかつた人を挙げる。他の多くはいつも名の出る人たちだからである。 押川春浪、厨川白村、…

野球觀戰

七月三十一日(金)晴 會社を定時より一時間早く退社して横濱スタジアムに赴く。途上東海道線は腦内正妻のひとりM姫と同道、樂しく會話をして過ごす。六時より横濱對廣嶋戰を觀戰。亂打戰にて面白き試合也。途中より同じく腦内愛人のO嬢及びK嬢來り、他男性…

彼誰夏の會

7月25日(土)晴、酷暑 中野第二力酒蔵にて恒例の飲み會。相變はらずの諸氏の博識ぶりに驚くも、流石にうろ覚えのことも多くなり、持参のi-Padによる検索が思ひの他役に立つた。以下話題に登つた人名を思ひ出すままに羅列する。斷はつておくが此の順序で話した…

嶺庵茶話會

五月六日(水)晴 會社の元上司H氏、同僚S氏を迎へ久しぶりの茶話會を開く。一時半鎌倉のH氏邸にS氏と車で迎へに行き二時前來着。煎茶、聞香、薄茶、吹禅の後懐石となり、黒牛吟醸酒にて酒食と歓談を樂しむ。九時半過ぎ散會。樂しい一日となつた。尚、此の…

嶺庵蕎麦會

四月五日(日)陰時々小雨 午前蕎麦打ち名人U氏を拙宅に迎へ、家人が蕎麦打ち第二囘目にして三度蕎麦を打つ。午後知人や會社同僚など來り、總勢八名にて午後二時過ぎより九時過ぎまで蕎麦を食し日本酒を飲みつつ歓談。樂しい一日となつた。 花筏と白椿

連酒

三月二十五日(水) 有給休暇消化の爲本日も休む。上野の東京國立博物館に往き『インドの佛』展を觀る。舊名カルカツタ、現在はコルタカと表記される都市の博物館所蔵品を展示するものにて表慶館にて開催さる。佛像出現以前の法輪の彫刻等面白く觀る。上野より…

門人録

三月二十四日(火)晴 此の日東京大學醫學圖書館に赴く。呉秀三文庫所蔵の貴重圖書『吉益家門人録』を閲覧す。明和六年に至つて井岡道貞の名を見出す。津山藩儒醫井岡道安は東洞先生の門人たりし事を知る。他にも参考とすべき發見多く収穫大なりと云ふべし。仔…

決心

十二月十八日(木)晴 熟々考ふるに余は元來調子に乘り易く舌禍も招き易き者なれば、家人とも相談の結果矢張り斷酒することを決意す。酔余の言動の危ふく再び難を為すことを懼れ災厄を未然に防がんが為、酒席の續く此の時期を敢て斷酒とし、來年三月七日を以て…

年末雜感

十二月十六日(火)陰後氷雨 酒を飲むとき酒の薀蓄しか話題のない人は大嫌ひである。特に、ワイン、シヤンパーニユ、ウヰスキー、日本酒の順に薀蓄が面倒くさい。旨く飲めればいいのであつて、樂しい話題は他に幾らでもあらう。 余は酒で失敗してゐる。其の事…

忘年會あれこれ

十二月六日(土)晴後陰 七時起床、ストレツチ、朝食、入浴の後外出。大船にてまづリハビリ施療を受け、眼鏡屋に行つて先日誂へし近視用眼鏡を受け取り、大船から横濱に出る。晝食の後コンタクトレンズ屋に行つて診察とレンズの註文。それから澁谷経由高円寺ま…