野球觀戰

七月三十一日(金)晴
會社を定時より一時間早く退社して横濱スタジアムに赴く。途上東海道線は腦内正妻のひとりM姫と同道、樂しく會話をして過ごす。六時より横濱對廣嶋戰を觀戰。亂打戰にて面白き試合也。途中より同じく腦内愛人のO嬢及びK嬢來り、他男性二名も加はり合計五人でわいわいと樂しく觀戰。試合終了後、年長の先輩一人歸途に就き殘り四人で吉田町のパブ、ホルボーンに飲む。余の妄想源氏物語ばなしで盛り上がる。これは余のお氣に入りの會社の女の子達を源氏物語の姫君達に當て嵌め、自分を光源氏に擬へてその日々の生活を妄想して幸福感に浸ると言ふもので、普通に考へれば愚の極致なのであるが、本人にとつては樂しくてならないのである。因みに此の日一緒だつたK嬢は朧月夜、O嬢は玉鬘に擬へてゐるので、O嬢は愛人といふより養女であり、實際娘のやうに可愛がつてゐるのである。
その玉鬘が言ふには、今年の女性新入社員の中では余の人氣が高いといふ。驚いたことに、余をかはいいと言ふのである。恐らく、人畜無害なおじさんといふ事なのであらうが、それでも嬉しいものである。O嬢からは「かっこかはいい」と評されてヤニ下がる。上司や他の管理職にありがちな、仕事の重責からくる堅苦しさや立場上の建て前優先の人間關係とは無縁の、勝手氣儘で自由さうに見える處や先輩面しないフランクな處が評価されているのであらう。或は「中二病」とも呼ばれる余の妄想癖とそれを語る痛さのせゐかも知れぬ。十一時過ぎ散會して歸宅。直ちに寝に就く。