久方ぶりの京都

十二月十八日(金)陰時々晴
午前中本社で打ち合わせの後午後京都に向かふ。室町通りの定宿に荷物を置き、嵐山に着いたのは四時半過ぎであつた。定家を偲んで小倉山方面を散策。時雨殿なる百人一首を記念する博物館のやうなものがあつたが、既に閉館の時間であつた。百人一首必ずしも百人の秀歌ならざる事を邦雄に教へられ實際其の通りだと思ふので餘り興味はないのであるが。
五時からライトアツプがあるといふので渡月橋の邊りにて待つが既に相當寒い。五時になつても西日本は流石に日没が遅くて左程暗くならず、今ひとつの感あり。それから京都嵯峨芸大まで歩き、I女史の研究室に赴く。すでに嗅覚アーテイストのUさんも在り、六時迄雑談をして過ごす。六時よりUさんの特別レクチヤーを聴く。彼女の嗅覚アーテイストとしての活動を振り返つて紹介するもの也。終はつて八時過ぎより近くの料理店にて會食。I女史、Uさん、パリから来たボリス夫妻、神戸で香り関係のイベント等をしているといふSさん、学生ひとりと余の計七名。熱燗も料理も美味しく、會話も彈み樂しい時間であつた。