金曜日

九月二日晴
朝食をゆっくり取り、九時過ぎに近くのマルシェに出掛ける。いわゆる「朝市」で、露店が道路に面しずっと続く。結構な賑わいである。果物野菜卵などを買って帰る。今回のパリ滞在中は極力自炊するつもりである。お金がないということもあるが、それ以上に外食が続くと胃が疲れて身体もまた疲労困憊してしまうから、普段の生活のように野菜中心の食事をすることにしたのである。しかし、実際マルシェでの買い物は楽しく、外で食べれば高いものもずいぶんと安く手に入るので結構楽しい。部屋に戻り、日本から持って来たラーメンに買った葱や卵をのせて昼食。その後外出。まずサンジェルマンのホテルに行く。ここは一度予約したものの、アパルトマンを借りることにしてキャンセルしたところ一泊分何故か課金され、しかもその返金手続きが不調で直接連絡してくれとのことなので、わざわざやって来たのである。ところがフロントに行って説明しても、Expediaでは事前に課金することはないから間違いだろうと言われる。私はVenereというサイトでネット予約したのだが、予約完了通知はhotels.comから来るし、そこも実はExpediaの傘下なのか、最終の受口は確かにExpediaになっていて中々複雑なのは確かで、私は自分のカードの明細から既に引き落とされていることを示し、今以て返金のないことを説明するのだが納得しない。こういう交渉はフランス語でやると向うはペラペラ喋ってこちらの反応が追いつかずに不利になるので英語の方がいい。相手の女性の英語も私と同じ位たどたどしいので互角の交渉が可能となるからである。結局過去の印刷した記録をひっくり返したりネットで調べられる払込の記録を見つけて、確かに課金されたことは納得したものの、ExpediaやVenereから返金していて二重の支払いにならないか、それぞれの会社に問い合わせをする始末である。普通に考えればそうした斡旋の会社が直接返金することなどあり得ないと思うのだが。最終的にその懸念もクリアになって、ホテルのクレジットで私のカード会社に返金の手続きをしてくれたのだが、わざわざ足を運んで直接交渉出来たからいいようなものの、旅行自体がキャンセルになった場合メールで説明してもラチが開かず泣き寝入りするしかなかったかもしれない。キャンセル無料を謳いながらこんな事が起こるようではホテル予約サイトを使うのも考えものであろう。少なくともExpedia系は使いたくなくなった。
ホテルを出て、サンジェルマン大通りのセフォーラで会社向けに香水を買ってからソルボンヌ大学パンテオンリュクサンブール公園と歩き、オデオンから地下鉄に乗って一度アパルトマンに戻る。一時間程休んだ後再び外出。途中ポワラーヌに寄った後シャン・ド・マルス近くのレストランに約束の七時少し過ぎに着く。既にFさんも着いていて席につく。昨年の渡仏時に大変お世話になった、在仏二十年を越える才媛で、今回食事にお誘いしたのである。家内を紹介して会話もはずみ料理も美味しく、楽しい時間を過ごせた。ここは前回も皆で会食して、料理の旨さにびっくりして今回も私がリクエストしたものである。コースとワイン、コーヒーまで入れて一人日本円で六千円もしないのだから安さにも驚く。話題は尽きず、気がつけば十一時半過ぎであった。近くのFさん宅前まで同道しそこでも暫し立ち話の後歩いて帰る。この日スマートフォンの万歩計によれば12,840歩、歩いたことになる。