川沿ひの学校

二月二十三日(木)
余が朝晩通勤に歩むいたち川沿ひには学校がいくつか並んでゐる。家に近い方から、柏陽高校、本郷中学、神奈川県警察学校、西本郷中学である。警察学校を除き、何所も運動部が盛んなやうで、通勤時に川沿ひの遊歩道をランニングしてゐる姿をよく見かける。運動場や体育館の様子も見える。冬の朝は体育館から剣道の寒稽古の気合のこもつた奇声が聞こえて来たり、其の脇では野球部の坊主頭が素振りをしてゐたりする。柏陽高校は頭の良い子の多い学校だが、野球にしてもサツカーにしても余り強くはなささうである。テニス部など、ボールを打つ音を聞いたり僅かに動きを垣間見ただけでも、柏陽高校より西本郷中の方が遙かに上手さうに思へる。本郷中の野球部は部員も多く体格の良い子もゐてランニングもきちんとやつてゐる。西本郷中は陸上部が強さうな感じがする。部活を指導する先生が熱心なのであらう。練習の仕方が本格的に見えるのである。これ等三つの公立学校は、もちろん体育の部活をしてゐる生徒を主に見かけてゐるだけだから実態は分からないが、どこも不良やツツパリのやうな生徒は見たことがなく、比較的まともな学校なのではないかと思はれる。唯一異質なのが警察学校で、夜通り掛ると暗いグラウンドで腕立て伏せや腹筋をやつてゐるやうなのだが、教官のイジメの如き指導の声が響き、それでなくともこの辺では生徒の柄が一番悪い。