ジュルナリスト

 山間の道をずっと奥に進み、あるジャーナリストの家を訪ねる。小太りのそのジャーナリストにわたしは「先生」と呼びかけて、最近彼が書いたルポの感想を述べ、取材のしかたや執筆の姿勢などについて質問している。彼が誠実なジャーナリストであることがわかって、わたしは感激してハグをする。それから駅まで車で送ってもらうことになる。車は自転車の二人乗りのような感じで、人相の悪い人たちがいるパチンコ屋の通路を通り抜けようとする。大丈夫だろうかと危惧していると、案の定一緒に後ろに乗った美男の若者が引きずり降ろされ、「お前は××ではないか」と言われる。よく似ていると言われるが違うと言っているのに、ボスが呼んでいるというので連れて行かれ、おそらくお釜でも掘られたのだろう、上気したまんざらでもない顔をして戻ってくる。それから駅に行き、ちょうど電車が発車しそうだったが無理をせずに見送るが、後になって今の電車の自由席でも座れたのではないかと悔やむ。しばらくして入線して来た次の電車の自由席に乗り込む。一人掛けの良い席に座れたが、通路やシートはゴミだらけである。