カラ出張

十一月二十八日(月)
高架線を走って来た電車が高層ビルの五階くらいの高さのターミナルに入る。見たこともないお笑い芸人3人組がテレビ番組のレポート役として降りて説明を始める。どうやらここは滋賀県らしい。向うに山並みは見えるが湖は視界にはない。私は改札を出てエレベーターに乗って二階に降りる。ホテルのロビーのようなところで、私は新規事業の打合せに出張でここに来たのだが、先方とのアポもとっていないことに気づく。そもそも自分の名刺も忘れて来たようで、なかなか見つからないが、手帳の中に何枚か名刺はあり同時に先日会った人の名刺が出て来て、これを使って会ったことにして後は遊んで帰ろうかと考え始める。取り敢えず外に出ると、昔の上司のH部さんが景色を見ながらたたずんでいて、わたしは珍しいところで会いますねと挨拶する。そして自分が出張で来た旨を話すと、それは企画部のK元の仕事ではないかと聞かれる。いや、今回はフレーバーの絡みもあるので自分がやっていると答える。H部さんにここには何しに来たのですかと聞くと、はっきり「さぼりに来た」と言うのでぎくりとする。ピクニック広場のような小高い丘を一緒に一回りした後H部さんと別れ、わたしはひとりで地下の駐車場に行く。ビルと同様に細長くただっぴろいが、車はほとんど停まっていない。わたしは歩きなのに一方通行の表示に従って奥まで行って戻ってから、扉をいくつか開けて展示室に入る。さまざまな企業や大学などが出展しているスペースで、これは何かネタになるなと思いながら、奇妙なオブジェの前に立った時目覚まし時計が鳴って起された。