上洛

明日より京都方面に出張也。週末も其の儘滞在して寺社見物等の予定なれば日乗も暫く休止とす。急に寒くなりたれば着る物に苦心す。到頭見栄へよりも防寒実用性を優先するやうになる。スーツにゴム底の歩きやすい靴といふ、絶対やらなかつた組合せに踏み切る。
久松真一『東洋的無』読了。京都学派である。久松や京都学派や禅に関する予備知識なく此の本を読んでゐたら、随分違ふ感想を持つたであらうと思ふ。かういふ理解の仕方が本当にはいいのか分らないが、禅の説くところは此れを読んで大分分りかけてきたやうである。プロテイノスと禅の思想の近縁性には目が開かれる思ひであつた。そして、道徳と宗教の関係や、何故神がゐるのに悪が存在するのかについての説明も極めてよく理解できた。その上で、矢張り神はゐないといふことも。