喜びと悲しみ

七月十九日(火)陰時々雨
昨日のなでしこジヤパンの優勝は、色々な意味で本当に素晴らしい勝利であり、日本人であることの誇りと勇気を感じさせてくれる、ちよつと他に思ひつくやうなものがないほどの感動であつた。ただし、ユーチユーブになかなか動画が載らずに、今夜になつてやつと映像でその顛末を見ることができた。見るものを満面の笑顔に誘ふ素晴らしい勇姿であり、誇らしいこと此の上ない。
其の一方で、原田芳雄の訃報に接し、万感胸に迫る。わたしが心の底から格好いいと思へる男は数へるほどしかゐないが、其の中のひとりであることは間違ひない。時代と、時間の流れと、人間の宿命…。以て瞑すべし。
悲喜こもごもの人生を感じ、今日はひとり酒を呑む。好みの冷えた黒牛を備前焼ぐい呑みでぐびりとやりつつ、祝杯と惜別の盃をともに挙げ、自分の人生の転機を思ふ。本当に愛した女、愛する女は確かに五本の指に満たない。喜びも悲しみも、実は彼女たちとともにあつたればこそである。感謝を込めてまた一杯。たまにはかういふ酒もよいものである。