女の聲

 ネズミという名のコンピューターのCMが嫌いである。何坂だか知らぬが、とにかく女性のタレントグループが出ていて、ネズミ、ネズミと連呼するやつである。ぱっと見てわたしの好みの女の子がいないこともあるが、何よりその歌声が嫌いなのである。ひとりひとりはそれなりに個性もあり可愛い声をしているのかもしれないが、5〜6人以上の女性がいっせいに歌うとそれぞれの個性が消されるのか、どんなグループでもだいたい同じような声になる。その声がとにかく嫌いで、しかもやる気がなさそうに聞こえるところがもっと嫌である。ここ十数年、多数の少女たちからなるユニットが人気であるが、わたしにはまったく理解できない。三人よれば姦しいとは言うものの、三人まではOKである。キャンディーズを思い起こせば問題ないことがわかる。しかし、それ以上になると、混成された声に個性がなくなり、女性の声の甲高い嫌なところだけが強調されるような気がする。全員ハスキーボイスなら許せるかも知れないが、それはそれで混沌とした歌声になってしまうような気がする。何だか世の中に文句ばかりつける業腹爺になったようで悲しいが、嫌いなものは嫌いなのである。