下品な顔

 テレビのニュースを見ていて急に嫌な気分になってチャンネルを換えるか消すことが最近多くなっている。言うまでもなく、安倍とトランプが出てくると、人品の卑しさ下品さに思わず顔を背けたくなるのである。安倍の卑劣さと開き直った厚顔無恥には呆れ返るしかないが、それでも合衆国大統領よりはまだ下品に感じないのだから世も末という感じである。ドナルドという名前からして野卑であるが、あの声、あの喋り方、態度立ち居振る舞い、何をとっても歴代で最も品がないのは明らかである。ブッシュJr.が上品に思えてくる程の、カリグラ級の愚鈍な権力者であろう。しかしまあ、言ってみれば古代ローマ帝国並の繁栄を誇ったアメリカ合衆国の凋落の端緒となるに相応しい、ズバ抜けた破茶滅茶さと思えば、ひとつの歴史的転換点に立ち合う興趣がなくもない。それに比べると安倍は余りにも愚鈍で凡庸な権力者であり、この国の行く末の中途半端な没落を暗示するようで、何とも侘しい気持ちになってくる。ベネチアポルトガルやスペイン、大英帝国のような覇権をついに手にすることなく、何となく落ちぶれて行く我が国らしい首長だとしたら、裏悲しい限りではないか。薩長は嫌いだが、明治の世を開いた連中が、まさか150年後に日本がこんな体たらくになっていることを知ったなら、自分たちのしたことが正しかったのかどうか、真剣に悩むのではないかと思うのである。