国宝級

 私はのんさんこと能年玲奈の大ファンである。あまちゃんで出会って以来、そのピュアで透明感のある可愛さとその憑依型の演技に魅了されて来た。声も好きだし、その顔立ちがきわめて魅力的だと思うのである。いまだに、自ら監督した映画で女子高生役をやっても何の違和感もない彼女ではあるが、東京国際映画祭のレッドカーペットに登場した際の美しさには目を見張るものがあった。少女らしさを脱して、大人の女性としての完璧な美しさと輝くような笑顔、見ている人を幸せな気分にさせる魅力を惜しげもなく見せていた。どの角度から見ても美しく愛らしい。その上作りものでない気品がある。ハリウッド映画やフランス映画に出しても全く恥ずかしくない美貌であり、魅力だと思う。どちらが悪いのかはともかく、旧所属事務所とのゴタゴタでテレビなどへの出演が少ないのは残念ではあるが、一方でその分俗塵に染まらずにいられるのは良かったのかも知れない。今度封切られる「この世界の片隅に」の続編にしても、声優としても極めてすぐれた才能を発揮した彼女であるから、映画の世界で彼女の魅力を最大限に引き出せる作品に出合って欲しいと切に願う。日本という閉鎖的な世界に留まらずに、ぜひ海外で活躍して欲しいものである。映画祭の容姿を見て、起用したくなる海外の監督も多いのではないかと思う。

 今まで、女優の中で思春期に国宝級の可愛さを持っていた人は、吉永小百合宮沢りえだと思っているが、のんさんにこれからのさらなる美の進化があるとすると、振り返って国宝級の十代の可愛さとして認定してもいいような気がしている。石原さとみも可愛かったが、それでもそのレベルには達していなかった。