三味線三昧

十一月十三日(木)晴
夕刻着物を着て豪徳寺に至る。七時より本樓にて松岡正剛先生プロデュースの『三味三昧』を聴く。本條秀太郎師の三味線の會である。一昨年の春秀太郎師の三味線の音色に出會つて以來、余の邦樂觀は一變し江戸に遊ぶ心持ちの樂しきを知るに至る。今囘も三味の音と喉を堪能。しかも今囘は藝者衆の踊りあり、御酌までして貰ふ余慶あり。三味線は耳で聴くものに非ず、空間の震へを全身で感じ取るべきもの也。松岡先生と秀太郎師との掛け合ひや邦樂解説もあり、熱演續いて終演は十時四十分。痺れに痺れた一夜であつた。