芭蕉の地球儀

一月十一日(水)晴
案内してくれる人があって、松尾芭蕉が一時住んでいたという庵を訪ねた。ごく普通の平屋の建物で、中は十畳くらいの部屋があるだけの簡素な作りである。部屋の縁側に近い位置に古めかしい地球儀が置かれていて、芭蕉奥の細道の旅に出る前によくこの地球儀を眺めていたという。中には人が何人かいて、その中のひとりの大柄な女性が盛っているのかしきりに求めて来る。胸は平で顔も私の好みではないのだが、やむなく性交する。それから私はまた別の女性といなくなった子犬を探しに出掛ける。貧民窟のようなところに入りこみ、縁の下など覗くが見つからない。片隅で何人かの老人と中年の婦人が酒盛りをしていて私も呼ばれるが、酒は飲まずにしばらく彼らと喋る。貧民窟とは言え皆わりとこぎれいにしているものだと感心する。それから建物の一角にある部屋で着替えを始める。大変な苦労をして、時間もかけて着替えるが、着物が短く袴も持って来なかったので家内に怒られるかも知れないと心配している。