茶話会

十二月十日(土)晴
昼過ぎ鎌倉山の蔵に住むN夫妻来訪。中食の後嶺庵で尺八を吹き、喫茶、聞香の後四時過ぎ帰る。変則的な嶺庵茶話会である。家の調度装飾につき、客によって着目する処の違ひが面白い。今回は古民家の専門家だけに家の壁の色や間取り、断熱などに目が行くやうであつた。夫婦で客を迎へる楽しさを知つてしまふと、掃除や室礼、調度装飾の類についつい時間と金を掛けるやうになる。
尺八は初めてとのことで、大和樂、無住心曲、布袋軒鈴慕、松風を吹く。ある程度音楽を知つてゐる人の方が音色や曲想、奏法の違ひに驚いて興味を持つてくれるやうだ。聞香では我が家所蔵の眞那賀、銘「松籟」の他に先日小石川のN氏に貰つた伽羅に銘「石洲」と名付けて出す。午前中にやはり同時に貰つた眞南蛮の香木にも銘を付けた。「凌雲」とした。石洲とともに命名を半紙に認める。
客が去つて暫し午睡の後飄眇亭にて明日の準備。研究会にて簡単な自己紹介をすることになり、自分の経歴や仕事、香りに関するスライドを何枚か用意して十一時半就寝。


茶花





リビング二景 「和」コーナーと其一の額装