ローマ帝国属州サッカー選手権

 FIFAワールドカップがアルゼンチンの優勝で幕を閉じた。決勝戦のみリアルタイムでPK戦まで見て翌日睡眠不足となり、火曜の朝寒くて風邪気味となって翌日休んで抗原検査をしたらコロナ陽性になってしまった。それから一週間余、すでに陰性にはなっているが、頭痛や倦怠感などの後遺症が続いている。

 ところで、優勝したアルゼンチンを除くと、ベスト4に残った国々がいずれもローマ帝国の属州であったことに気づいて興味深い思いがした。言うまでもなく、準優勝フランスはガリア属州、三位のクロアチアはダルマティア属州(一部はパンノニア)、四位のモロッコはマウレタニア属州にほぼ相当する。アルゼンチンもヒスパニア属州であるスペインの未來の植民地であるから、時空を飛び越えれば似たようなものかも知れない。首都ローマの地理的な後継者であるイタリアも、同じく首都コンスタンティノープルの末裔を擁するトルコもワールドカップに出場していないのも面白い。ちなみに、ヒスパニアのほかにもブリタンニアイングランド)、ルシタニア(ポルトガル)、ゲルマニア(ドイツ、オランダ、ポーランドなどを含む)などの属州地域の現在の国々が多数参加しているわけで、まさにローマ帝国属州選手権であったと言えるだろう。日本も、ドイツとスペインに勝ったというより、ゲルマニアヒスパニアに勝って、ダルマティアに負けたと思えば誇らしくなるし、並みのローマ皇帝くらいは善戦したと言えるのではないだろうか。ワールドカップの一風変わった楽しみ方である。