竹と酒 

九月一日(土)晴一時雨
九時家を出て電車の中にて讀書及び爆睡を経て早稲田に到り、急に降り始めた雨の中一如庵に赴く。十一時より尺八稽古。終りて後雑談に宮島詠士の話題となり、宮島家所蔵張廉卿千字文を見せて戴く。技巧を排し素直に書かれたものなれど流石に気品あり。又宮松文一のCD「魂の歌」を神先生より購入。先生は同CDの監修をしてをられたのである。十二時半辞して昼食をとつた後帰宅。冷房の効いた電車内で眠つたせゐか、全身特に腰の怠さを感ず。三時過ぎ帰宅し、嶺庵の掃除を為す。五時過ぎ知人のK氏來庵。嶺庵にて尺八二曲を聴かせた後二階に移り、酒宴となる。獺祭と上善如水を飲むこと正に水の如し。〆めは我が家定番の煎酒の卵かけ御飯。是は皆から絶賛される絶品である。十一時に至り、K氏去る。余も酩酊頭痛あり。口三味線にて即興の小唄もどきを歌ひたる記憶あり。直ちに就寝。