出張 

十一月七日(水)陰時々晴
午前新幹線にて移動晝過ぎ新大阪着。營業Y氏の車にて得意先D社に赴き三氏と面談。二時辞して高槻のS社研究所に往き香料提出。更に同市のS社本社に行き、五時と六時に各々別件の打ち合せを為す。其の後高槻驛まで送られ其処から東海道線新快速にて大阪に戻り、リツツカールトン裏の安ホテルに七時半前投宿。此の日午前に大阪入りして知人と晝食を取り午後買物等為し居りたる家人既に在室。荷物を置き倶に出て北新地迄歩む。余が嘗て人に連れられ行きし饂飩屋を探すも見つからず、大阪出身の知人に電話で場所を聞かんとするも出ず、止む無くつるとんたんなる饂飩屋に入り夕餉と為す。まづまづの味也。店を出てホテルに戻ると知人から電話あり。既に遅しと雖も聞けば香川といふ店にて余の探してゐた通りより一本北に在りといふ。家人は店の名からスマートフオンで検索し其の店のカレー饂飩が有名なるを知り是非食べたいと云ひ出す。先に食せし饂飩が必ずしも量多からざる事もあり、竟に再び外出して香川に赴く。饂飩屋のハシゴは流石に余も初めて也。おでんで熱燗を飲んでから家人の頼みしカレーうどんを少し分けて貰ふ。來た甲斐のある旨さである。店員の対應や店内の雰囲氣、また客層もよく、氣持ち良く飲み喰ひ出來た。先に入つた店は給仕の若い女が何を聞いても答へられず苛立ちたることもあり、最初から此の店に入れれば尚良かりけむと思ふも、家人には満足氣なれば良しとす。香川を出でホテルに戻り、十一時前早々に就寝。