人災

六月九日(月)晴
出張にて山城國に赴き、午後香水市場概況につき得意先に對し説明を為す。無事終へて營業車にて山科驛まで送られ、余は扉を開け車を降りんとす。然るに營業のT内といふ若僧何を思つたか突然車を発進させ、地上に片足を降ろした余は荷物と倶に舗道に投げ出される形にて転倒す。惡むべき愚挙也。左足膝部を強打せし故にや痛み激しく歩行も儘ならぬ有様とはなりぬ。予定を變更して車にて大阪の旅宿に移動し直ちに投宿。様子を見るも時間と倶に痛み増し不如意となりぬ。勞災と為すべきも、歩行に片足引き摺る不都合は日常生活に多大な障害を來すは必定なり。飛んだ災難、いや人災に遭ひたるもの哉。