戦後の混乱期のことである。わたしはある理由から職にも就かず、残飯を拾ふなどして辛うじて餓ゑを凌いでゐた。或る時は眠つてゐる人の横にある鍋から御玉杓子で掬つて取つたもやし数本が一日の食事といふこともあつた。そんなわたしが駅で大学生くらゐの若…
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