庚寅大晦日

終日家に在り、通信執筆。夕方書斎の片付けを為す。最近殆ど読み書きを嶺庵でしてゐるので、ご無沙汰してゐるバーにちよつと顔を出すやうなものか。尤も、そんなバーとかスナツクとか、とにかく常連になつた店などといふものを持つたためしはないのだが。大晦日とは言へ独居の老人の暮らしにたいした変化はない。紅白にも興味はないし格闘技もテレビがないから見られない。除夜の鐘が永平寺ならちよつと聴いてみたい気はしていて、NHKはラヂオで音だけは拾へるのだが、きつと五月蝿い会話が合間に入るのだらうから聞かない方がましであらう。

ととのへて机の寒き老いの暮れ 乞子