二月十七日

米書肆ボーターズ倒産の報に接す。余、在米中家の近くに其の支店舗あれば度々覗くことあり。俄に其の店内の様子やら駐車場の様など鮮明に思ひ出され、当時の生活を想ひ返すに早や七年の歳月の過ぐるを知る。其の間の身辺境遇の流転に改めて転た悵然たり。
十四夜の明るき夜、卵納豆牛乳及び筍の煮物を購ひて侘び住まひに帰る。米を研ぎ炊けるのを待つ間尺八を吹く。寒さ稍緩むか。佛書を読み、入浴の後夜坐。睡気甚だしければ早めに寝に就く。