二月十四日(月)陰後雨後雪

定時退社、駅まで歩く途中にあるスーパーで歯磨き粉を買ふ。いつも花王のピユオーラを使つてゐて、今回も同じものを買つたつもりだつたが、帰つて見てみると今までのクリーンミントではなくワイルドミントを買つてしまつた。大失敗。フレーバーが違ふとかうも味といふか磨き心地が違ふものかと思ふ。
六時二十分帰宅。直ちに嶺庵で尺八練習。二尺三寸で大和楽、鈴慕二回、通り・門付け・鉢返し、鉢返しだけ二回、其の後一尺八寸で調べ・下り葉と三谷清攬、再び二尺三寸で鈴慕をお浚ひ。
其の後読書。パーリ語仏典長部梵網経を終へ沙門果経に入る。ブッダ智慧の深さには驚くより他はない。図書館で借りて来た大正新脩大蔵経阿含経所収の沙門果経も併せて見てゐるが、かなり記載に異同があるやうだ。其れにしても漢文だと音写した人名が漢字の海の中に埋没してしまつてわかりにくい。古代インドの人名やパーリ語的な発音が次第に好きになり始める。カッサバとかゴーサーラ、ニガンタ・ナータプッタといつた人名、パーティモッカやヴィパッサナー、サンマーサマーディといつた、何とも温かく柔らか味のある用語である。
九時半過ぎ余りに寒いので足湯に浸かり体を温めてから軽くストレツチの後夜坐三十分。最近は専ら夜坐である。空腹のため腹式呼吸でいつもより腹部に圧迫を感じる。其の分内部の感覚に集中できるために、いつもよりは雑念が少ない。これも断食の効果であらうか。十一時半、テーラワーダの薦める慈悲の冥想を唱へてから就眠。