大空と白球

六月九日(木)陰時々晴間
夕刻より飲み会。職場の後輩で三十代ひとり、二十代ひとりと四十代のわたしとの計三人で飲む。男三人で要するに男子会といふことになるのだが、此れが事の他楽しい。これだけ歳が離れてゐると、変なライバル意識とか第三者との微妙な人間関係から来る複雑な感情といふやうなものはなく、何でも思ふことを言へるのだ。まあ、それで調子に乗つて若かりし頃の武勇伝などもやつてしまふ訳だが、とにかく何でも面白可笑しく話して笑つて貰へると嬉しいのである。合間に仕事や香りについてのわりに真面目な話もするが、すぐに真面目な話をしてゐることに気づいて照れてすぐにちやかしてしまふ。
それにしても最近の若い男の子は大人しいといふか、素直といふか、良い子が多いやうに思ふ。別に草食系といふ訳ではなくても、ガツガツはしてゐない。それに比べるとわたしの若い頃など肉食系といふより肉欲系と言つた方がぴつたりするほどストレートな欲望剥き出しで生きてゐたやうな気がする。恥ずかしい限りである。
それもあつて今は、酒の席などには若い女性のゐない方が楽しく飲める気がする。面倒くさいし、おじさんは適当にあしらはれるだけだから、男同士で戦闘機の話や野球の話題に興じる方が楽しいに決まつてゐるのだ。さうさう、二十代の子も子供の頃パイロツトになりたかつたさうだし、三十代の方の兄弟は自衛隊で航空機に乗つてゐるらしく、何だかこれから飛行機関連にますます興味が深くなりさうである。また、二人を今度嶺庵に招待することにしたし、野球観戦にも一緒に行く予定だ。楽しみである。