帰還

六月二十五日(月)
余の五十一回目の誕生日也。六時起床。最後の谷地頭温泉を愉しんだ後帰り支度を為す。殆ど住み慣れた家のやうに感ずるものの、約一週間の滞在は瞬く間に過ぎぬ。九時前伯母來り。鍵を返却して別れを告げ、タクシーにて一度和田魚店に立ち寄り、宅急便にて送つて貰ふ魚類を購ふ。それから函館駅までタクシーに乗り、一旦駅のコインロッカーに大きな荷物を預けてから朝市に往く。二十七年前とは様変はり甚し。念願の烏賊ソーメンを食す。岳母やN子がよく言ふやうに、歯ごたへ食感確かに常の烏賊の味にあらず。旨し。其の後和光周辺の寂びれたる街路を散策した後予定より早いバスにて空港に向ひ、ほぼ定刻通り飛行機は離陸して羽田に帰り着きぬ。平日の午後なれば電車もさして混雑せず、函館同様涼しき気候の中帰宅す。土産物の片付けや洗濯などをして遅めの夕食をとり、日常の生活に戻らんとす。十一時半就寝。