三者並列問題 

十一月二十七日(火)晴
例へば川沿ひの狭い遊歩道を歩いてゐるとする。前方にはゆつくりと老人が歩いてゐて追ひ抜くことになるが更に前からはこちらに向つて歩いて來る人がある。かうした場合、何故かしら追ひ抜くのと前から來る人と擦れ違ふ地点が一緒になる事が多い。後ろから來た自轉車に追ひ抜かれるのと前から來た人と擦れ違ふのが同時になる場合も多い。三者が一瞬横並びになる訳で、余は此れを三者並列問題と呼んでゐる。確率的にはさう頻繁に起りさうにないのに、現實にはしょつちゆう起るのが余には不思議でならないのである。余にのみ起る事なのか、一般的によくあることなのかを知りたいし、よくあるのなら何故さうなるのか何か理由があれば知りたいと思ふ。此れに似たのに駐車場問題といふのがあつて、駐車場に停めた自分の車に戻つて來ると決まつてすぐ隣の車にも人が戻つて來たり、既に人が車に乘つてゐて發進しやうとするのに出喰はすのである。広い駐車場の他の処には殆ど人が居ないのに、自分の近くだけやけに人が多いといふ事が、偶然にしては余りにもしばしば起る。混んだ駐車場にやつと空き場所を見つけて車を入れると、すぐに隣の車に人が戻ることも多い。何故なのであらうか。