九月十三日(日)陰時々雨

早起きして荷物をまとめホテルに預けてから地下鉄でバンブの蚤の市に出掛ける。クリニャンクールと違ってブロカントの雰囲気で生活雑貨の大安売りという感じである。家人はクリスタルの宝石箱を購い、私はデキャンタを購入。重くなるが安かったのでつい買ってしまった。それからバスに乗って帰ろうと思ったら逆方向に乗ってしまい、降りたところの近くに屋根付きの古本市のような会場があってしばらく覗く。思いがけず、今まで来たことのない地区に来れたのも面白い。再びバスでレンヌに戻り、朝市を見て歩く。それからシェルシュ-ミディの通りからサン-シュルピスに戻り、カフェで今回の旅行で初めてカマンベールのサンドイッチの昼食。それから早めに空港に行くことにしてホテルで荷物を受け取り、バスでリヨン駅に向かう。ところがエールフランスの空港バスの乗り場がわからず時間がかかった上、乗ったバスで眠ってしまったために、最初のアエロガール1で降り損なって、終点から空港内の移動モノレールに乗るハメになって、早くに出ていなければ慌てるところであった。昔はもっとスマートに抜け目なく旅していた気がするのだが、今回は今までなら想像もつかない失態続きである。カフェで砂糖を手に持ってスーツケースを忘れて来たり、ホテルの部屋に備え付けのセーフティ-ボックスに貴重品を入れたまではよかったが、鍵を掛けずに出掛けてしまったり、メトロのカルネ(回数券)を買ってすぐに落としてなくしてしまったりと、まるで初めて海外旅行に出掛けたお上りさんのようなていたらくである。とは言え幸いなことに大過なく最終日まで来れたのも面白いと言えば面白い旅の思い出である。
久しぶりのパリを私自身は十分に楽しむことが出来たが、それ以上にフランスをすっかり気に入ってしまった家人はすぐにでもまた来たいと言い出し、帰国したら早速フランス語の勉強を始めるらしい。そして何より、帰国するのが悲しくてたまらないらしい。夕方パリを発つフライトで帰国の途に就く。楽しい旅行であった。